予算作成時に資金計画(資金繰り計画)も併せて作成しておくことがおすすめです

会社でも個人事業でも、1年間の目標を予算として作成されているケースは多いと思います(売上目標、利益目標、その他の定性的な目標など)。

この予算作成時には、さらにひと手間かけて、資金計画(資金繰り計画)も併せて作成しておくことがおすすめです。

売上・利益目標と資金計画(資金繰り計画)

売上目標

事業を行なっている場合、数値化された目標といえば、まずは売上目標が挙げられます。

・会社や事業全体の売上目標
・複数の商品を取り扱っていれば商品ごとの売上目標
・複数の事業があるなら事業ごとの売上目標
といった感じで細分化された数値目標(予算)を作成されていると思います。

さらに、社員が複数いる場合には、個人ごとに売上目標を設定されているでしょう。

「何をいくらでどれだけ売るか?」を決めれば作成することができますので、一番分かりやすい数値目標と言えます。

利益目標

その次に意識するのが利益目標になります。

いくら売上金額が増えたとしても、赤字が増えてしまっては意味がありません。

そして、この利益には、売上総利益(粗利)、営業利益、経常利益、税引前利益、税引後利益という性質が異なる複数の利益があります。

売上総利益(粗利):
「売上 − 売上原価」で計算するもので、「いくらのものをいくらで売ってその結果いくら儲かったか?」が分かるものです。

営業利益:
「売上総利益(粗利) − 一般管理費」で計算するもので、ものを販売して獲得した利益(売上総利益)から営業活動にかかった費用(一般管理費)を引いた金額(=営業活動から得られた利益)になります。

経常利益:
営業利益に、営業活動以外から定常的に発生する収益と費用(受取利息、支払利息など)をプラスマイナスして計算します。

税引前利益:
経常利益に、特別損益項目をプラスマイナスして計算します。

税引後利益:
税引前利益から法人税などの税金を差し引いた金額です。

営業担当者であれば、売上、売上総利益(粗利)まで、あるいは営業利益までを意識していれば十分かもしれません。

一方、経営者であれば、それぞれの利益についてざっくりとでもおさえておく必要があるでしょう。

また、さらにひと手間かけて、この売上や利益に連動する資金計画(資金繰り計画)も併せて作成しておくと良いと考えています。

売上や利益が増えたとしても、それと連動して資金繰りが楽になるとは限らないからです。

資金計画(資金繰り計画)でまず把握すべきこと

資金繰りの計画としては、1年間での収支をざっくりと把握することから始めると良いです。

まずは、「どれくらいのお金が入ってくるか」を利益目標をベースに算定します。

一般的に言われているのが、「税引後利益に減価償却費を足した金額」で考える方法です。

ただ、税金も金額次第では支払い時期の資金繰りに影響を及ぼす可能性もありますので、税引前利益をスタートにする方法も良いかと考えています(1年でみれば同じです)。

なお、利益に減価償却費を足して収入金額を考えるのは、減価償却費がお金の支払いを伴わない費用だからです(その期間の前にお金は支払っているため)。

つまり、「その期間の利益は減っていてもお金は減っていない」と考えるためです。

次に、支出側(損益に影響しない支払い)を考えます。
損益に影響する支出は、上記の利益計算ですでに加味されているので。

具体的には、設備投資、借入金の返済、株主への配当(あれば)、といったあたりが一般的なところでしょうか。

結局、ざっくりとしたイメージでは

(収入)
+ 税前利益
+ 減価償却費
(支出)
ー 法人税(所得税)などの税金支払い
ー 設備投資
ー 借入金の返済
ー 株主への配当

で計算した金額がざっくりと1年間で手元に残る資金ということになります。

もしもマイナスになるようであれば手元資金が減ってしまうことになりますので、資金繰りに注意が必要ということになります。

資金繰りを考えると時期やタイミングも大切

1年間の資金計画(総額)という意味では上記の計算で問題ありません。

ただ、資金繰りという観点では具体的な時期やタイミングも考えておく必要があります。

単純な例として、売上の季節変動が大きくて1年の後半に多くの売上があがる会社の場合、多額の借入金返済が前半にあれば、返済資金の手当が必要になるかもしれません。

また法人税や所得税、消費税などの納付額が多い場合には、その対応も考えておく必要があります。

1年間のざっくりとした資金計画では、このあたりのタイミングを把握することができません。

ですので、収入や支出で月ごとの振れ幅が大きい場合には特に、毎月の計画に落とし込んでおく必要があります。

なお、売上(売掛金)の回収サイトが長くて仕入(買掛金)の支払サイトが短い場合など、ざっくりとした利益計画では日々の資金繰りに使えない可能性もあります。

いずれにしても「一度作ったら終わり」ではなく、自社の実態に合わせて計画を作成していく、自社にとってどこまで必要かを試行錯誤しながら改善していく、ということが必要になるかと思います。


【編集後記】

連休期間中は年末年始に続いて、いろいろなインプット&アウトプットを!などと考えていたものの、思ったほどはかどりませんでした。。。
気を取り直して頑張らなければ。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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