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消費税の処理を間違えやすい理由とまずは1つだけ心がけたいこと

経理処理のなかで消費税の取り扱いがよく分からない、間違いを指摘されることが多い、という経営者や経理担当者の方は結構多いのではないでしょうか。

消費税の処理を間違えやすい理由

経理部門の担当として、あるいは税理士として、仕訳・伝票をチェックしているときに消費税の間違いに気づくことが結構あります。

間違いのパターンとしては
・消費税の対象取引なのに対象外取引として処理されている
・消費税の対象外取引なのに消費税が計上されている
・会計ソフト上、消費税コードを間違えてしまっている
といったあたりが多いかと思います。

で、これ、ある程度は仕方ないのではないかな、と個人的には思っています。

そもそも消費税が分かりにくい

そもそも消費税の対象なのかどうか、どういう場合に対象となるのか、というのは結構分かりにくいかと思います。

勘定科目だけで判断することはできず、取引の内容から判断しなければならないからです。

「消費税がかかるのかどうか?」だけを扱った書籍がたくさん販売されていることからも分かりますね。

会計ソフトも分かりにくい

ただでさえ消費税の取り扱いが分かりにくいのに、会計ソフトの消費税コードも分かりにくいものが多い気がします。

ルールが複雑になると、管理しなければならない項目・種類が増え、結果的に消費税コードをたくさん設定しなければならない、という悪循環です。

軽減税率とか出てきたら、さらに面倒なことになりますね。

お金に影響がない(ケースが多い)

消費税の間違いに気づきくい理由としては、間違えてもお金への影響がない(ケースが多い)ということもあると思います。

例えばこんな間違いです。

<誤処理> 交際費108(消費税込)を「消費税対象外」として処理
(借方)交際費 108  (貸方)現金預金 108

<正しい処理> 交際費108を(消費税込)として処理
(借方)交際費 100  (貸方)現金預金 108
(借方)仮払消費税 8

間違えてしまっても、どちらも支払う金額は108のため、「お金」には影響がありません。

もしも相手に支払う金額を間違えていたら指摘されて気づきますし、現金や預金残高と一致していなければ、そこで気づくこともあるでしょう。

ただし、残念ながら、消費税コードを間違えても「お金」に影響がなければ、自力で間違いに気づくことは難しいのかもしれません。

修正する場合はちょっと面倒

分かりにくくて間違いが起こりやすい消費税ですが、修正するときも少し面倒です。

例えば、勘定科目を間違えてしまった場合であれば、

雑費を取り消して交際費を計上
(借方)交際費 100  (貸方)雑費 100

のような修正を入れればOKで、この場合、勘定科目は変わりましたが、利益には影響がありません。

一方、前述のように消費税の適用関係を間違えてしまった場合、

交際費:(誤)108 => (正)100

となり、損益が「8」ずれてしまいます。

それとともに「仮払消費税」という科目も「8」ずれることになります。

当期中、当月中ならそのまま修正すれば済みますが、前事業年度分など過去のものについては厳密には「法人税」「消費税」の申告が間違えていたということになります。

どこまで厳密に修正するか、という問題はありますが、税務調査で発見された場合には厳密には「要修正」になりますので、ちょっと面倒な作業が発生してしまうことになります。

まずは1つだけ心がけたいこと

このように分かりにくい消費税の問題。

どうすれば間違いを無くせるか?いろいろと考えたことがありますが、なかなか難しいところだと感じています。

理想は、経営者でも経理担当者でも、実際の処理をする人が正しく消費税のルールを理解することです。

そのため、消費税の基本的な仕組みを聞いたことがない方は、概要のレクチャーを顧問税理士などに依頼してみるのも良いと思います。

ただし、実務経験があり消費税法の試験にも合格している税理士でも「あれ?どうだっけ?」と思うことがたびたびあるのが消費税です。

で、実務で分からないときに1つだけ心がけると良いのは、

請求書に書かれている内容に忠実に処理すること

です。

そんなの当たり前じゃん!?と思われるかもしれませんが、実はできてないケースっていうのが結構あります。

・請求書には消費税のことが一切書かれていない(対象外取引)のに、対象取引として処理
・請求書に消費税の対象取引と対象外取引が混在しているのに、全項目を対象取引として処理
などなど。

手間は若干かかりますが、
・請求書に消費税額が明記されていたら、金額が一致していることを確認する
・消費税のことが書かれていなければ対象外取引なのか?と確認してみる、調べてみる
など、そんなことを続けるだけでも減らせるミスはあるのではないでしょうか。

なお、会計ソフトの仕様で、あらかじめ勘定科目に消費税コードが設定されている場合、デフォルトで「消費税対象」「対象外」と認識されてしまいますので、必要に応じて変更しなければならないということにも注意が必要ですね。


【編集後記】

昨日は税務調査絡みの打ち合わせに立ち会いました。
国税当局の方もいろいろと気を遣ったり、大変なんだなと。。。

【昨日の1日1新】

*「1日1新」とは→詳細はこちら

ブランの焼きカレーパン