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「労働時間」の提供と「ノウハウ」の提供との値段の違い。サービスの値段は「見えない原価」をどう考えるか次第。

geralt / Pixabay

ここ最近、サービスを購入したり有料セミナーに参加したときなどに、値段の妥当性について考えさせられることが多いです。

労働時間の提供とノウハウの提供との違い

サービスの値段が高いのか安いのか。

人によって感覚の違いもあり、判断が難しいところです。

とある税務調査では、親会社・子会社間の費用負担について、親会社が子会社に対して何らかの役務の提供をしているのであれば、

「1日あたり〇〇円」の人件費を子会社に請求すべき

と判断される事例がありました。

これについては、考え方はその通りですし、異論はありません。
(あまり詳しくは書けませんが、むしろ安い??)

これは、「ノウハウ」に該当するものがないことから、「役務提供=労働時間の提供」として1日あたりの人件費相当額を請求する、というロジックです。

一方で、いろいろなセミナーに参加したりサービスを購入する場合、時間単価で考えると、この「1日あたり〇〇円」よりも高くなることが多いです。

そして、その違いというのは、労働時間の提供とノウハウ提供との違いによるものだと考えています。

「1日あたり〇〇円」は労働時間ベースの人件費

この「1日あたり〇〇円」という場合、そのベースにある考え方は、

そのサービスは「人的な役務提供」(直接的な労働)

であり、

「1日あたり〇〇円」のベースにあるのは、労働時間に対する人件費

ということになります。

例えば、年収1,000万円の人であれば、年間365日で考えれば1日約3万円、年間200日で考えれば1日約5万円、というイメージです。

実際には社員であれば給料以外の社会保険料などもありますので、この通りにはいきませんが。

購入するサービスが「労働(知的なものを含む)時間」の要素が強いのであれば、
・人件費の概算(相場)
・所要時間、日数
から、おおよその相場感が作られることになるでしょう。

・労働時間(一定の時間や日数)を確保することが求められる業務
・あまりノウハウが存在しない業務
・単純な業務
などは、こちらに分類されるものが多いのではないかと思います。

ノウハウ提供単価は人件費ではない

「ノウハウの単価」の場合、前述の労働の対価とは全く別物だと考えておく必要があります。

バックエンドのあるセミナーなどに参加すると、高額セミナーの料金設定にはいろいろと考えさせられることが多いです(肯定も否定もしません、一応)。

・3ヶ月(月2回の研修、つまり合計6回の研修)で50万円
・半年間(合計10回程度の研修)で200万円
などなど、「おっ!」と感じるセミナーがいろいろあります。

価値があると判断した人が申し込めば良いので、高いか安いかは人によって意見が分かれるところかと思います。

いずれにしても大切な考え方が、

「ノウハウ」や「自分が持っていないスキル」を購入する場合、その値段を「人件費」という枠組みで考えることはできない。

ということではないでしょうか。

「ノウハウ」や「自分が持っていないスキル」というのは、労働力や時間で測るのではなく、「価値」で測るべきものだからです。

例えば、心理学系のカウンセリングを受ける場合で考えてみます。

・面と向かって、カウンセラーと会話する時間が1時間。
・今後に向けて有益なアドバイスがもらえた。
として、相手の1時間という時間に対する労働の対価を支払えば良い、とは考えないと思います。

そのような有益なアドバイスができるカウンセラーは、そこに至るまでに、心理学のこと、ビジネスのこと、カウンセリングのことなどに、かなりの時間とお金を使っているはずです。

そのような時間、お金は「見えない原価」とも言えます。

それらのことも踏まえて、「自分にとってどれくらいの価値があるものか?」でその値段を考えるべきではないかと思っています。

税理士業務で考えてみると?

目に見えない(見えにくい)サービスという部分では、税理士業務も同様です。

いわゆる記帳代行は労働力(労働時間)の提供です。

従って、所要時間・仕訳数などの外形的なものからの値段設定ができると思います。

一方、顧問業務というのは、労働力ではなくノウハウの提供と言えるでしょう。

単に
決算書を作り、申告書を作り、申告して終わり。
だと、一見すると労働力に見えることがあるかもしれません(そういうところもあるでしょうが。。。)。

ただ、実際には
・申告書を作成するため
・正しい税務判断をするため
・税務調査で問題にならないような予防のため
のノウハウがいろいろとあるわけです。

税務調査にならないとその価値というのは分かりにくい部分ではありますが、税務調査で大きな問題が発生してからでは遅いのではないかなと。

「最終的には会社が何を優先して考えるか?」次第だとは思いますが、やはり、中長期的に「価値」を見てみることが必要なのではないかと感じています。

もちろん提供する側の立場からすると、「価値」を認めていただけるようにレベルを上げていく必要があることは言うまでもありませんね。

両者の違いを考えることが検証の第一歩

・サービスを購入するかどうか。
・その値段が妥当かどうか。
を検証する場合、まずは労働の対価なのか、ノウハウなのか、その違いが何なのか、を考えるところから始めるのが良いのではないでしょうか。

そこを整理できれば、「価値」「値段」も考えやすくなるのではないかと思っています。


【編集後記】

少しサボっていたPC内のファイル整理、メール整理をがっつりやったので、かなりスッキリしました。
やはり、決まり事として毎日取り組んだ方が良いと再認識しました。。。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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