税務+会計+ときどきゴルフ

税務調査で課される重加算税。ニュースでよく見る「見解の相違」と重加算税の関係は?

Alexas_Fotos / Pixabay

税務調査などで、追加で課される税金のなかに「重加算税」というものがあります。

また、ニュースや新聞記事で申告漏れなどの税金の報道が出る時によく使われる言葉に「見解の相違」というものがあります。

これらの関係を確認してみます。

ニュースや新聞で話題になる「申告漏れ」と「見解の相違」

有名な会社や派手な業界(芸能人など)に対する税務調査の結果が、新聞やニュースになっているのを目にする機会があります。

最近では、
・EXILEが所属している会社
・ソフトバンク
・大阪城公園のたこ焼き屋さん
なども、ニュースになりました。

詳しくは分かりませんが、たこ焼き屋さんは「申告をしていなかった」と報じられているので、脱税ということで論外として。。。

有名な会社、大手の会社などに税務調査が入り、それなりの金額の申告漏れがあった場合、

・〇〇株式会社が〇〇億円の申告漏れを指摘されていた。
・会社ではすでに修正申告、納付を済ませている。

このような表現で記事になっていることが多いと思います。

申告漏れの原因は「見解の相違」?

で、そのような時によく使われる言葉に「見解の相違」というものがあります。

「見解の相違はあったが、当局の指示に従い修正した。」
というような当事者のコメントが紹介されていることもあります。

では、この見解の相違とはどのようなものでしょうか。

会社側と国税局・税務署などの当局との間で、「見解が異なっているもの」ということになります。

1.海外の子会社にサービスを提供してお金を受け取った場合
<会社側>適正な金額のお金を受領している。
<当局側>受領している金額が少なすぎる。もっと請求すべき。

2.会社の交際費として社長個人の飲食代を計上した場合
<会社側>事業に関係のある人との食事であり事業に必要なものである。
<当局側>社長個人の飲食代である。

3.代表取締役社長を退任して会長に就任した人に退職金を支給した場合
<会社側>職務内容、報酬も変わったので実態として退職している。。
<当局側>退任前と実態は変わらず、退職したとは認められない

レベル感はいろいろ違いますが、「会社側が判断して処理した内容を当局が認めない」というのが、「見解の相違がある」ということになります。

見解の相違があれば、税金計算も変わってくるケースが多くなります。

上記のケースも次のように、税金を追加で納付することになります。

上記1.のケース:子会社への寄付金として税金を追加納付
上記2.のケース:交際費ではなく社長への報酬となり、税金を追加納付
上記3.のケース:退職金はその期には経費として認められず、税金を追加納付

これらのようなケースであれば
・申告漏れがあった(税金の納付が少なかった)。
・その原因は「見解の相違によるもの」
ということになりますね。

税務調査で課される税金とは?

税務調査があって追加で課される税金には、次のようなものがあります。

・本来払うべきだった税金
・過少申告加算税(当初の申告の税額が少なかったために課されるペナルティ)
・延滞税(金利に相当するもの)
・重加算税(仮装や事実の隠蔽があった場合に課されるペナルティ)

これ以外にも、申告していなかった場合に課される「無申告加算税」や源泉税を納付しなかった場合などに課される「不納付加算税」なんていうものもあります。

重加算税とは?重加算税が課されるのは??

重加算税というのは、経営者の方、経理や税務の仕事をしている人であれば、聞いたことがあるのではないかと思います。

・重加算税だけは避けたい。
・重加算税の対象となるような行為、処理は絶対にNG。
という意識を強く持っている人も多いかもしれません。

この重加算税というのは、
・何らかの仮装行為(資料を改ざんするなど)
・何らかの隠蔽行為(資料を廃棄する、保存しない、記録を残さないなど)
があった場合に課されることになります。

一言で言えば、悪質な税金逃れと見なされる行為です。

逆に言えば、

「仮装行為・隠蔽行為がなければ、重加算税が課されることはない」

というのが本来の考え方ということになります。

例えば、1,000円の備品を買って領収書を10,000円に書き換えて10,000円として処理していたら「書類の改ざん」ですから重加算税の対象となる可能性があります。

一方、前述のように、海外子会社へのサービス提供の価格が安すぎるとして税金が課されたとしても、仮装行為・隠蔽行為がなければ重加算税の対象とはなりません。

つまり、普通のことをやって、普通の事務処理をしている限り、重加算税は課されることがないものとも言えます。

また、重加算税が課されるかどうかについては、金額的インパクトも関係ありません。

今年(2018年4月)話題になった、ソフトバンクグループの税務調査では、4年間での申告漏れが939億円指摘されたとのことでしたが、重加算税の対象とはなっていないとのこと。

金額は大きくても、仮装・隠蔽行為はなかったということなのでしょう。

重加算税を避けたい理由

重加算税はできるだけ避けるべきですが、その理由は大きく2つあります。

1つは課される税金の負担です。

不足している税額の35%〜40%を追加で納付しなければならないことになります。

仮装・隠蔽で1,000万円の税額が過少になっていた場合、その1,000万円とは別に重加算税として350万円を支払わなければならないわけですから、負担感は大きいですね。

また、もう1つは重加算税を課された会社という記録が残ってしまうということです。

当局側にそのデータが記録される(され続ける)ということは、その後、税務調査に選定される頻度が高くなる、と考えておく必要があります。

どちらにしても良いことがないのは間違いありません。

「見解の相違はあったが納付を済ませた」の内容を見てみると!?

このように重加算税は、仮装行為・隠蔽行為があった場合に課されるものです。

単なる「見解の相違」では、課されるはずがないものということになります。

「申告もれ」「所得隠し」などのニュースを見ていると
・〇〇億円の申告漏れ
・重加算税を含めた納付額は〇〇億円
・会社側コメントは「見解の相違はあったが納付を済ませた」
という記事を見かけることがあります。

そのまま読み流してしまいそうになりますが、本来なら、「重加算税」が課されている以上、「見解の相違」だけではなく、何らかの「仮装・隠蔽行為」があったはずです。

「見解の相違」としておけば、それらしく聞こえますし、見栄えや会社の評判を気にしてのことかもしれませんが、実際のところは??

記事によっては、「見解の相違等」として、「等」に含めて表現しているケースもあるようです。

「見解の相違はあったが納付は済ませた」という記事で、もしも重加算税が課されていれば、「見解の相違だけじゃないでしょ!!」という見方もできますし、いくら多額でも重加算税が課されていなければ「本当に見解の相違だったんだな」という見方もできますね。

このように、よく見かける税金の記事でも、少し細かく表現を見てみると、少し違った印象を持つことができるかもしれません。

ちなみに、実際の税務調査のなかで、仮装・隠蔽行為がないのに、重加算税が課されている、重加算税を飲まされてしまっているケースもあるようです。

今後、ずっと尾を引くことにもなりかねないので、きちんと専門家に相談して対処することが大切です。


【編集後記】

昨日は早朝から草野球の試合をしてきました。
朝8時の試合開始時点でもかなりの暑さで、すでに運動してはいけないレベルなのでは?なんて感じながら。。。
その後に試合をしていた人たちは大丈夫なんだろうか?と心配になるくらいでした。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

RecStyle(アプリ)
冷やし甘酒