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税務相談に乗ることの難しさ

stevepb / Pixabay

今さら感たっぷりではありますが、税務相談に乗ることは難しいと改めて感じています。

「間違いが許されない緊張感」「限られた情報でも正しく判断して分かりやすく伝えることの難しさ」はかなりのものです。

間違いが許されない緊張感

よく言われていることですが、税理士試験は(表面的には)60点で合格できますが、実務では100点が求められます。

また、税務上の判断が正しかったのかどうかの確認(答え合わせ)は、基本的に数年に1度の税務調査のときにしかできません。

正解がすぐには分からないものについて
・適切に判断しなければならない。
・すぐには正解が分からない。
というのはなかなかの緊張感です。

そう考えると、税理士という職業も、どこかで割り切ることができるある意味での図太さがないと、精神的にも比較的厳しい仕事だなと感じたりもしています。

正しく判断することの難しさ

税務相談を受けて回答する場合に1番難しいのは、税法へのあてはめではないでしょうか。

あてはめとは、ある事柄について税法の取り扱いを考えるときに、税法の考え方にその事柄をあてはめて考えるということです。

例えば、お客さんから代金が回収できなかった場合を考えると、
(1)代金が回収できなくなった(貸倒れ)という事実がある。
(2)貸倒れについては法人税では、損金に算入できるケースとできないケースがある
(3)今回の貸倒れの事実が、損金に算入できるケースに該当するか。
を検討することになります。

(1)の代金が回収できないという事実ははっきりしていますし、(2)の税法上の取り扱いも、税理士や税務関係を学んだことがある人なら、要件を把握することは可能です。

問題は(3)です。
「今回の事実が税務上の要件を満たしているのか。」というのは、案件ごとに異なるいろいろな事情を加味して判断せざるを得ません。

裁判事例などがあれば参考にはできますが、少しでも事情が異なれば違う判断になる可能性もあります。

結局のところ、「税法をどう解釈してどう結論付けるか」だけなのですが、相談があるような事象というのは、そのあてはめが難しいケースが多いのが実情です。

分かりやすく伝えることの難しさ

結論を出したとして、それを分かりやすく伝えるのも難しいと感じることも多くあります。

いろいろと検討して結論を出した場合、表面的にその結論だけを伝えるのでは足りません。

しかし、あまり細々と説明してもやり過ぎということもあるでしょう。

相手次第、相談内容次第でどの程度の説明が必要か、見極めながら対応せざるを得ません。

当たり前のことではありますが、いざやろうとすると結構難しいのではないでしょうか。

・メールなどの文章が良いのか、口頭が良いのか。
・長めでしっかりした説明が良いのか、シンプルが良いのか。
どのようなパターンであれ、分かりやすく伝えるスキルを身につけていく必要があると感じています。

伝えることの難しさという意味では、税法の規定を文章などに整理して、簡単に伝えることの難しさについても、最近よく感じています。

また機会があれば書いてみたいと思います。

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【編集後記】

週末に1ヶ月ぶりにゴルフに行きましたが、やはり右手首痛は痛いままです。
知人に教えてもらい、低周波治療器を試してみることにしました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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