「他社比較」と「自社比較」の使い分け。あまり意味のない分析に一喜一憂しないためにも。。

会社の数字を扱うときの「他社比較」と「自社比較」について考えてみます。

他社比較と自社比較

経営者の方と「会社の数字」についてお話ししていると、

・他社はどうなの?
・どれくらいが一般的なの?
・うちの会社は良いほうなの?悪いほうなの?

という会話になることがよくあります。

・各種の利益率
・現預金残高
・借入金比率
・一人当たりの売上高
・一人当たりの売上総利益(営業利益)
・一人当たりの営業利益
・労働分配率
・人件費
・賞与の支給額
など、気になる財務指標や数値は、会社によって、経営者によってもいろいろです。

で、これらについて考えるとき、
・他社はどうなのだろうか?
というのが気になるのは、ごく当然のことだと思います。

ただ、単純に他社と比較することがあまり意味がないケースもあります。

「他社比較」と「自社比較」、目的に合わせて使い分けることが必要だと考えています。

自社にとっての基準値を知りたいときは「他社比較」

経営者の方が気になる数字(財務指標など)について、

・自社の状況
・自社の位置付け
・同業他社の状況
・参考にしたい会社の数値

など、

「自社の数値が良いか?悪いか??」
ではなく
「自社にとっての基準値や参考にすべき指標」
を知りたいときには、「他社比較」は有効でしょう。

・同業他社の「一人当たり営業利益」はどれくらいなのだろうか?
・同業他社の労働分配率はどれくらいなのだろうか?
・現預金や借入金の水準は、同程度の規模の他社と比較してどうなのだろうか?
などは、他社と比較しなければ分かりませんので。

ただし、比較した結果、自社の位置付けや基準がなんとなく把握できたとして
・良かった!
とか
・悪かった・・・
というように、一喜一憂するような性質のものではないと考えています。

他社とはいろいろな条件も異なりますし、がっちりと100%同じ条件で比較することはできないので。

その意味でも、「他社比較」はあくまでも
自社にとっての基準値を確認するためのもの
という位置付けがよいのではないかと思っています。

評価・分析は「自社比較」

一方の自社比較。
自社比較とは、同じ指標や項目について、自社の現在と過去とを比較することですが、これは評価や分析に使えるものです。

たとえば
一人当たりの営業利益率が同業他社と比べて1%低い(=他社比較)。
という事実だけでは、今が良い状態なのかどうか、分かりません。

それに対して
一人当たりの営業利益率が前年よりも1%改善した。
となれば、前年よりも良い状態になっていることは間違いないでしょう。

このように、自社比較であれば、良いか悪いかの評価やその結果の分析もしやすくなります。

財務分析などをするときに、経営者の方にお伝えするのが、
「1期だけを見てもなかなか見えてこないかもしれませんよ。」
ということです。

自社(の過去)と比較することで初めて分析も意味が出てくるのだと思います。

キャッシュフローや損益情報等の管理、改善をお手伝いさせていただきつつ、
なんとなく今の状況が分かったから、もう十分かな!?
という感覚をお持ちの方もいらっしゃいます。

継続して比較・分析していくからこそ意味/効果が出てくるのに「もったいないな・・・」と感じることも。

・「他社比較」と「自社比較」をうまく使い分けられているか?
・比較・分析がうまくできているか、無駄になっていないか?
など、一度見直してみるのもよいかもしれません。


【編集後記】

昨日は、午後から、キャッシュフローコーチのお客様の会社での社内勉強会〜終了後には懇親会、そこから移動して、高校時代の同級生との飲み会に合流〜自宅近くのBarでの2次会まで、とかなり密度の濃い1日でした。
すべてが楽しい人たちとの交流だったこともあり、充実した時間を過ごすことができました。

【昨日の1日1新】
「1日1新」とは→詳細はこちら

山内農場 鴨居南口駅前店
新幹線で新横浜から品川まで移動
魚料理 芝文
Bar Moo


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