法人税などの申告に関する概要〜国税庁が公表〜

先日、国税庁から、平成29事務年度における法人税などの申告に関する概要が公表されました。

法人税等の申告事績とは

例年、この時期(10月)になると、国税庁から「法人税等の申告(課税)事績の概要」が公表されます。

今年であれば、

平成29事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要

として

1.平成29年度における法人税の申告事績の概要
2.平成29事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要

の2項目が公表されています。

「事績」って言葉、あまり使わない気がするのですが、デジタル大辞泉によると

事績=事業とその功績。成し遂げた仕事。業績。

という意味のようです。

事績でも実績でもなんとなく同じような意味という理解で良いのでしょうかね。

で、「法人税の申告事績の概要」では
・申告件数
・申告所得金額
・申告税額
などが掲載されており、

「源泉所得税等の課税事績の概要」では
・源泉所得税等の税額の状況
などが掲載されています。

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/hojin_shinkoku/pdf/hojin_shinkoku.pdf

平成29事務年度における概要

所得金額は増加

国税庁が公表している資料のスクリーンショットを貼り付けておきます。

前年(平成28年度)と比べると、申告件数が101.2%と微増なのに対して、

・申告所得金額(税金が課される対象となる所得)が111.5%
・申告税額が111.0%

となっており、前年と比べて、所得・税額とも増加していることが分かります。

「申告所得金額」は過去最高らしいです。

このことをもって景気が良くなっている、などと単純に考えて良いのかどうか、という問題はあるにしても、雰囲気としてはプラス、前向きに考えることはできるのではないかと思います。

黒字企業の割合も増加

なお、資料内では黒字申告割合も公表されていますので、スクリーンショットを貼っておきます。

黒字の申告割合は34.2%であり、前年と比べて0.1ポイント増加しています。

できることなら余計な税金を払いたくない(脱税ではないですよ!)と考えるのが普通の感覚ですから、それでも所得や税額が増え、黒字申告割合が増加しているということは、やはり前向きに考えられるということになるかと思います。

赤字会社の割合は?

黒字申告会社が34.2%ですから、残りの会社(65.8%)は黒字申告ではないということになります。

ただ、以前にも書いたのですが、この65.8%の会社が「赤字」というわけではありません。

「申告所得」が黒字ではないということであり、過去の欠損金を控除した結果、申告すべき所得が0となった場合も、「黒字申告」ではないということになります。

会社を継続させるならまずは税金を払える会社に。節税はそのあとからでも。
世の中では中小企業を中心として、赤字の会社が多いと言われています。 「いかに税金を減らすか?」は多くの人にとっての関心ごとではあります...

つまり、

過去の赤字(欠損金)のおかげで当期の納税はないが、赤字ではない

という会社もこの中には含まれていることになります。

まあ、「だから何?」という感じではありますが、とりあえずこんな感じなんだなとイメージしておくだけでも良いのかなと思っています。

なお今回は「申告事績の概要」でしたが、もう少しすると「調査事績の概要」も公表されるはずです。

「税務調査の結果」なので、どちらかと言えば、そちらのほうが興味深いかもしれませんね。

結果が公表されたらまた紹介したいと思います。


【編集後記】

昨日は、とある会計ソフトから弥生会計へのデータの取込などを行っていました。
一瞬、マクロを駆使して、と思ったものの、ついつい目先の時間を優先して、Excelのまま進めてしまいました。
次回以降のことを考えると、これではダメ!なんですよね、分かってはいるんですが。。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

いちげん ランチ
Excel重複データの削除


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