社員を採用する場合の基準はいろいろありますが、分かりやすい基準の1つが資格です。
では、有資格者はみな優秀で、会社や組織を救ってくれる(貢献してくれる)存在になれるでしょうか。
有資格者が会社を救ってくれるとは限りません
・有資格者は会社を救えるか?
・有資格者は会社に貢献してくれるか?
ざっくりした疑問ですが、まだまだ誤解されている方が多いように感じています。
社員を採用するとき、「とりあえず資格を持っている人を採用しておけば外れないだろう」という考えでは、判断を間違えてしまう可能性があります。
まずは
「採用しようとする社員に何を期待するか?」
を明確にしたうえで、資格との関係を整理しておく必要があります。
・税理士事務所が税理士を採用する。
・監査法人が会計士を採用する。
このようなケースであれば、税理士や会計士の資格を持っていることが前提になるでしょう。
次に、例えば一般企業の経理部門の場合
・税務に詳しい税務担当者を採用する。
・IPOに詳しい経理担当者を採用する。
このようなケースであれば、必ずしも税理士や会計士の資格が必要とは限りません。
有資格者だけでなく、実務経験が豊富な無資格者も選択肢には入ってくるでしょう。
また、一般企業の経理部門でも
「組織の中枢で活躍できる人材を採用したい」
というニーズが場合、ある意味、資格の有無は全く関係なくなります。
少なくとも資格があるというだけでは、条件をクリアすることはできないはずです。
結局、有資格者の採用は、会社側のニーズとマッチするからこそメリットがあるわけで、無条件にその経理部門を救ってくれる存在にはなり得ないのではないでしょうか。
税理士や会計士でも〜「数字を見る力」と「問題解決力」とは別物〜
最近では、一般企業に勤務する税理士や会計士が増えていると聞いています。
企業側が求める人材とマッチしていれば、戦力として活躍されていることと思います。
万が一、マッチしていない場合には、双方にとって不幸な状態に陥っているかもしれません。
税理士と会計士はそもそも専門が異なるので、一括りにはできませんが、一般的には「数字に強い」というイメージがあると思います。
確かに一通り財務諸表は読めるでしょうし、数字を扱うことには慣れています。
数字が苦手な経営者の方からすると、それだけで「優秀」に見えてしまうことがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
「数字を見る力」と「問題解決力」とは、全くの別物です。
「数字を見る」「数字を読む」ことが出来たとしても、「問題解決力」がなければ、組織の中ではなかなか成果をあげることはできないのではないでしょうか。
しかし、企業で役立つ問題解決力を測る試験は、税理士試験にも会計士試験にもありません。
実際に
・有資格者で、問題解決力も有している優秀な人材
・同じ有資格者でも、問題解決力が身についていない人材
の両方を比較的身近なところで客観的に見てみると、資格だけでは分からないものだなとつくづく感じます。
例えばこんなことも。。。
例えば何か問題が起こった場合
・問題の本質がどこにあるか。
・その本質的な問題点を潰すには何が必要か。
・潰すためには何をどのように進めていく必要があるか。
このようなことは最低限おさえたうえで、対策を検討しなければなりません。
ところが、それなりに時間をかけたにもかかわらず
・問題点がきちんと整理できていない。
・最終目標(ゴール)の設定ができていない。
という状況で、ただ食い散らかしただけ、時間を浪費しただけ。
冗談のようですが、こんなことも起こってしまうのです。
・資格を取っただけ。
・あとは言われる通りに仕事(作業?)をしてきただけ。
という経験値では、抽象度の高い課題に対応するのが難しいというのも、ある意味では仕方がないことなのかもしれませんが。
あとは本人が気づいて、努力していくことができるかどうか次第、ということでしょうか。
(会社としての教育の問題もありますね。)
採用する側が理解しておくべきこと
採用する側の立場としては、資格を過大評価せず、自社にとって何が必要なのかを最優先で考えることが大切です。
「資格とはその試験に合格するレベルの知識があったことを担保するだけ」
というくらいの意識で良いのかもしれません。
以前にも似たような内容のことを書きましたが、採用活動をする場合には、できるだけ資格などの外形でなく、中身を見極めることができる方法も検討されるのが良いのではないかと考えています。
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【編集後記】
週末は久しぶりにゴルフのラウンドに行きました。
4人1組のチーム戦で、個人競技とは違った盛り上がりもあって、楽しむことができました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
自宅近くのゴルフショップまでウォーキング
ゴルフ場まで新しいルート
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