M&Aと聞くと、あまり良い印象を持っていない人もまだまだ多いかもしれません。
利用するかどうかは別として、もしものときに後悔しないよう、最低限持っておきたい考え方を簡単に整理してみます。
年々増加するM&A
日本国内におけるM&Aが増加している、といろいろなところで取り上げられていますので、なんとなくそんなイメージを持っている人が多いと思います。
先日も日経新聞に次のような記事が載っていました。
・日本企業同士のM&A(合併・買収)が増加
・4月は309件と前年同月比23%増
・1985年以降で過去最大
・非中核事業を切り離す再編型、中小企業による事業承継型のM&Aが活発
・中小企業では「経営者の高齢化や従業員の採用難を理由にしたM&Aが増加
少し前までは、M&Aと聞くと
・ハゲタカ?
・投資ファンド?
・乗っ取り?
など、どちらかというと負のイメージで捉えられがちな時期もありました。
ただ最近では、この記事のようにM&A案件も増えてきており、徐々に一般的になりつつあるということが言えるのではないかと思います。
「うちの会社には関係ない」と言い切れるかどうか??
そうはいってもうちには関係ない。
とお考えの経営者の方も多いかもしれません。
ただ、
・本当に自社には関係ないのか?
・将来、検討する必要性が出てくる可能性はないのか?
ということについては、一度はしっかりと考えておく必要があります。
「会社の出口戦略」という言葉、表現を聞いたことがある人は多いかもしれません。
経営者が将来、引退や事業の承継を考えたときに、どのような選択肢があるか、ということです。
1.株式上場
2.事業承継
3.M&A(売却)
4.清算・廃業
5.倒産
このうち、「1.株式上場」はそれなりにハードルも高いですし、やろうと思っても自分が思うだけでは必ずしも実現できない可能性があります。
また、「4.清算・廃業」「5.倒産」については、前もって戦略的に考えることではないかと思います(一般的には)。
となると、普通に経営してきてそろそろ引退しようかと経営者の方が考える場合には、「2.事業承継」あるいは「3.M&A(売却)」が主な選択肢ということになります。
そう考えてみると、M&Aで会社を売却するという選択肢が「決して他人事ではない」ということになるのではないでしょうか。
後悔しないために考えておきたいこと
「もしも」のときに後悔しないために考えておきたいことでもっとも大切なのは、
早めに検討を始めておく。
ということだと考えています。
健康面から
なんとなく近い将来、考えないといけないことは分かっていても、まだ若いし、健康だし、もう少し先でもいいかなと思っている方も多いかもしれません。
知人、友人が病気になったと聞いても、「自分は大丈夫」と根拠のない自信を持っているなんて方もいるかもしれません。
ただ、突然体調を崩してしまったり、事故に巻き込まれてしまうなんていう可能性もあります。
まだ心配ないんだけど・・・というタイミングでも少しずつイメージを持ち始めておくことが大切です。
経済的な面から
M&Aで会社を売却する場合、
・従業員のこと
・事業の継続、発展のこと
など優先したいことはいろいろとあると思いますが、できるだけ高く売りたいというのは誰でも考えることでしょう。
つまり、自社の株価ができるだけ高く評価されるようにしておく、ということです。
詳細は割愛しますが、たとえば節税最優先で毎年の税金を減らしてきた結果、会社に資産があまり残っていない場合、どうしても評価は低くなってしまいます。
また、財務諸表の純資産が結構厚くなってきたし、高い評価になるかな?と思っていても、役員の退職金の引き当てがなければ、その分だけ純資産が減ることになり、思っていたよりも評価が下がってしまう可能性もあります。
M&Aによる売却の可能性がゼロでなければ、将来的に会社の価値が高まるような対策を考えておくことも必要になります。
精神的な面から
目先の事業が忙しかったり、なにかと大変な状況だと、将来のことまでは考えられない・・・という可能性もあります。
ただ、もしも少し落ち着いて将来のことを考えられるようになったら、なんとなく将来の方向性を考えてみるのも良いかと思います。
どのような方向性を目指すかをイメージしておくだけでも、漠然とした不安は解消できるかもしれませんので。
第三者的な立場で財務諸表などを見ていると、もう少し早めに対応していたらさらに良い財務諸表、強い財務状況、高い評価に繋がったのにな・・・なんて感じることがちょこちょことあります。
どうせなら「後悔しない」よう、早めに検討を始めてみることをおすすめします。
なお部数限定で、M&Aに関する10ページ程度の簡単な冊子がありますので、経営者の方でご興味がある方はお問い合わせいただければと思います。
【編集後記】
ワインに関するうんちく、いろいろあって面白いです。
残念ながら大部分は忘れてしまったものの、ハマる人が多いというのも頷けますね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
タリーズコーヒー 巣鴨地蔵通り店
午後の紅茶 シトラスティ
ワイン試飲会
琉球酒場 分あじこや