企業経営のゴール・出口をどこに設定にするか?それによって「やるべきこと」や「判断」が変わる。

企業を経営していく上では、ゴール・出口をどこに設定するか?を意識しておくことが大切です。

税理士/アドバイザーとして会社をサポートする場合でも、経営者の方がどこを目指しているかによってアドバイスする内容も変わってきますので。

ゴール・出口・目標を設定することはすべての基本!

何かしらの物事に取り組むとき、成果をあげたいと思えば、まずはしっかりと目標を定めることから始めることが多いのではないかと思います。

例えば、勉強をする場合には、取りたい成績、資格、点数、得たい知識レベルなどを設定したうえで取り組むことが多いでしょう。

また、通常スポーツでも目標設定はするはずです。
レギュラー選手になりたい、強いチームを作りたい、ベストスコアを更新したい、などなど。

目標、ゴール、出口など、表現は何でも良いのですが、明確な目標も設定せず、ただ単に「頑張ろう」というだけでは、思ったような結果が得られないことが多いのではないでしょうか。

これと同じように、会社経営においても、単に「毎日頑張ろう」だけではなくて、しっかりとしたゴール・出口・目標を設定することが必要です。

例えば
・会社を大きくしたい
・たくさん稼げる会社にしたい
・たくさん社員を採用することができる会社にしたい
といった目標を立てたうえで、さらに

・今後、どんな会社にしていきたいか
・将来的にその会社をどうしたいのか
というゴールを考えることになります(実際にはもっと細かくしっかり作成されているかと)。

このなかで「将来的に会社をどうしたいのか」というゴールのことは、「出口戦略」などと呼ばれています。

経営者にとっての出口戦略とは

経営者にとって、会社の出口戦略には5つのものがあると言われています。

将来、自社をどうするか?という観点から、
・上場(IPO)
・事業承継
・M&A
・清算(廃業)
・倒産(破産)
これらの5つに分けられています。

清算と破産は似ていますが、清算が自ら事業をたたむ(=自主的に廃業)のに対し、倒産は経営が厳しくなり、止むを得ず会社を法的に潰す(=破産)ということです。

ということで、倒産は経営者自らが望むことではないとすれば、出口戦略は上記4つ(上場、事業承継、M&A、清算(廃業))ということになるでしょう。

この4つの出口戦略のうち、どこを目指すか?

上場して創業家としてキャッシュを多く稼ぎたい、身内あるいは社員に会社を引き継いで欲しい、M&Aで会社を売却して引退したい、自分の代で会社は終わり、などなど。

これは経営者によってさまざまですので、どれか1つが正解というわけではありません。

ただし、どのような出口戦略であれ、あらかじめイメージしておくことが大切です。

日々の行動、判断が出口戦略によって変わってくるからです。

出口戦略次第でやるべきことや判断が変わる

出口戦略をイメージしておくことが必要なのは、どのような出口戦略かによって、やるべきことや判断が変わるからです。

例えば上場を目指すなら、財務体質の強化は当然として、それ以外に社内の体制作りも必要になりますし、株主構成などにも気をつかう必要が出てきます。
公私混同的なものもが許されないことは言うまでもありません。

事業承継(特に自分の子供への承継)を考えるなら、株価が低いタイミングでいかに株式を譲渡するかがポイントになります(最近は税制改正により納税猶予の制度が認められやすくなってきていますが)。

会社を強くしていくこと、その結果として株価が上がることは、「出口戦略(=事業承継)」から考えるとマイナスの影響とも言えますので、大きなジレンマを抱えることになりますね。

逆にM&Aを考えるなら、いかに相手に高く株式を買い取ってもらうかがポイントになるので、会社を強くして結果として株価が上がることになれば、間違いなくプラスです。

ちなみに清算の場合、「返済できない負債がなければOK」と考えるならば、株価を上げたいとか下げたいという感覚はあまり必要ないかもしれません。

「資産>負債」という関係性が維持できていればOKと割り切ってしまうことも考えられます。

このように、出口戦略が異なっていると、まったく逆のことを求めたりする可能性があるわけです。

上述のように、

「事業承継 VS M&A」

「株価は高くないほうが望ましい VS 株価を高くしたい」
といった感じで。

つまり、ある状況に置かれている会社が、どのような経営判断をするべきかは、その会社がどこを目指しているかによって変わるということです。

従って、節税がすべて正しいわけでもないということにもなるわけです。

顧問税理士とこのあたりのことを普段から共有できていれば問題ないでしょう。

もしもそうではない場合には、「いまやっていること」と「いまやるべきこと」がずれてしまっている可能性がありますので、まずは一度、しっかりと話し合ってみる必要があるのではないかと考えています。


【編集後記】

昨日のワールドカップの日本戦はかなり盛り上がっていましたね。
きっと空いているであろうゴルフの練習に行こうかと思っていたものの、結局テレビで観戦してしまいました。
次戦以降が楽しみですね。

【昨日の1日1新】

*「1日1新」とは→詳細はこちら

顧問先から新しいルートで帰宅


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