税務調査とは、経営者なら誰でも「できれば避けたい」と考えているものだと思います。
何もやましいことがなくても、精神的な負担は大きいですし。
今回は、実際に調査が行われ、その結果に不満があるときにまず考えてみることを確認してみます。
まずは顧問税理士にしっかりと相談を
会社に法人税などの税務調査が入った場合、なんだかんだで税金を納付しなければならないケースというのは多いと思います。
1昨年のデータではありますが、税務調査にはいった案件のうち、約7割で計算の誤りがあったとされています。
多少の誤差はあっても、ざっくりとこんなイメージなのでしょう。
計算が誤っていて追加で税金を納付しなければならなくなったとして、いくつかの理由に分かれるかと思います。
・単純なミス
・会社側はダメだろうなと考えていたが、案の定、税務署が認めなかった
・会社側はグレーかなと考えていたが、税務署が認めなかった
・会社側は問題ないと考えていたが、税務署が認めなかった
というようなパターンのどれかに当てはまるかと。
このうち1つめと2つめについては、仕方がないと諦めるしかありません。
で、問題となるのは、3つめと4つめです。
金額にもよるかとは思いますが、指摘される内容次第では、「その結果に納得できない」ということがあるでしょう。
そのような場合、その「納得できない思い/不満」について、まずはしっかりと顧問税理士と話しをすることが必要です。
・その税理士がどう考えているのか?
・会社側の考えが間違っているのか?
・何かしら交渉する余地がないのか?
といったあたりのことは最低限確認しておくべきです。
なかには、
「納税者側と税務署側のどちらの味方か分からない」
なんていう税理士も少なからず存在するようですので。
そして、顧問税理士と話した結果、納得できればそれを受け入れれば良いでしょう。
セカンドオピニオンの検討も
顧問税理士と話したものの、それでもどうしても納得できないということがあるかもしれません。
そのときには、セカンドオピニオンの検討をしてみることがおすすめです。
「税理士」といっても、得意分野や経験値、考え方はいろいろです。
ある事象に対して、反論の仕方を知っている税理士/知らない税理士がいる
なんていうことは、ごくごく当然のことなのです。
だからこそ、自分が納得できないと考えるのであれば、複数の意見を聞いてみる価値はあるのではないかと思っています。
税理士に単発で相談してみる、個別コンサルのようなサービスを利用して意見を求めてみる、なんていうのが手軽なところです。
ちなみに、明らかに黒、脱税については、セカンドオピニオンを求めてもダメ(なはず)ですので、念のため。。
調査結果が出たあとの手続き的な流れ
・税務署側の指摘に納得できず
・顧問税理士と話したり
・セカンドオピニオンを求めたり
したものの、それでも税務署側に認められないということもあるでしょう。
その場合に取ることができる対応を簡単に書いておきますと、次のような感じになります。
修正申告はダメ
まずは大前提として、調査結果に不満があって今後何らかの手段を取りたいと考える場合、修正申告はしてはいけません。
修正申告というのは、自ら誤りを認めて修正申告するわけですので、あとから「納得できない」と言っても認められないことになりますので、注意が必要です。
税務署による更正
修正を申告をしない場合には、税務署が「更正」します。
「更正」とは税務署側が調査結果に基づいて税額を正すことであり、課税する理由がきちんと書かれた更正通知書が送られてきます。
きちんとした理由が必要である、あいまいな理由では更正することができないので、微妙な判断の場合、税務署側が更正を嫌がる(修正申告してほしい)なんてことも言われています。
再調査の請求/審査請求/訴訟
更正の内容に不服があるとき、次の対応が考えられます。
*税務署長に対する再調査の請求
これ、普通に考えると、意味あるの?って気がしますね。
・税務署の職員が検討し
・上司の承認も得て更正した内容を
・さらにその上司である税務署長宛てに再調査の請求をする
ということですので。
判断ひっくり返らないよね・・・と思うわけです。
*国税不服審判所長への審査請求
上記の再調査の請求による結果に納得できない場合、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができます。
再調査の請求を飛ばして、「更正」からダイレクトにこちらに進むことも可能です。
*訴訟
審査請求でも納得できない場合、裁判所に対して訴訟を定期することができます。
ざっくりとこんな流れになります。
実際問題として訴訟までいくのは、時間やお金を考えると、ごく一部の会社に限られるのかなとは思いますが。
おわりに
税務調査での指摘内容に納得できない場合の対応を書いてみましたが、あくまでも理想は
税務調査の前に懸案事項をしっかりと潰しておくこと
です。
納得できない判断、理不尽な判断をされないようにするため、
・必要な資料を整えておく
・指摘されないような取引形態に見直しておく
・グレーかな?と思うことは、事前に顧問税理士と詰めておく
ということが大切です。
脱税、やりすぎの節税はダメですが、かといって無駄な税金を払う必要はありませんので。
【編集後記】
昨日はかな〜り久しぶりに東京青税のセミナーに参加してきました。
井ノ上陽一さんの「ひとり税理士の仕事術」がテーマでしたので。
内容は、参考になることが盛りだくさんで、企画していただいた青税の方に感謝です。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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