経理の仕事について1年間の流れを確認〜まずは事業年度のスタート月〜

経理関連業務で1年間にやるべきことや仕事の流れなどについて、複数回に分けて整理してみることにしました。

事業年度を4月スタート(3月決算)と仮定し、まず今回は1ヶ月目である4月に行う業務を確認してみます。

新事業年度の取り組み:事業年度の開始月にやるべきこと

新しい事業年度が開始される月(4月)の場合、新事業年度ならではの業務をこなす必要があります。

会計処理〜新事業年度は新たな基準で計上

会計処理については、事業年度が変わると入力する金額が変わるものが多く存在しています。

  • 減価償却費:
    事業年度が更新されると計上額も変更される
  • 各種引当金(賞与引当金、退職給付引当金など):
    処理方法にもよりますが、期がわりのタイミングで計上額が変更されるケースが多い
  • 人件費:
    事業年度が変わるタイミングで給与支給額の改定があれば反映させることが必要
  • 勘定科目:
    新事業年度から新たな勘定科目を使用する場合には会計ソフトの設定変更が必要
  • 部門設定:
    新事業年度から新たな部門を設定して管理する場合には会計ソフトの設定変更が必要

また、これら以外でも、例えば新しい会計基準が適用される場合には、基準に合わせた処理方法を検討しておくことも必要になります。

そのような状況に備えて、あらかじめ新事業年度からの適用関係をチェックしておくことがおすすめです。

資料も新事業年度バージョンに

内部管理資料を作成している場合、新事業年度用に資料を作成し直す必要があるかもしれません。

例えば、Excelで「予算実績対比表:年間累計」のような資料を作成している場合、事業年度のスタート月に資料を準備しておく必要があります。

1年分の予算数値を入力したり、その他のフォームを整えたりすることも必要になるでしょう。

一通りの検証を

新事業年度のスタート月では、会計処理や作成した資料の内容について、細かくチェック・検証することが必要です。

変化点は間違える可能性も高いからです。

・新たに作成したExcelの計算式に誤りがあった
・会計基準の適用を間違えてしまった
なんていうことが発生しないよう、できる限り気をつけておく必要がありますね。

前事業年度に関する取り組み:決算関連業務

また、4月は新事業年度のスタートでもありながら、前事業年度(前月3月期)の決算関連業務もこなさなければなりません。

前事業年度に関する
・決算処理
・税金計算
・財務諸表作成
・各種分析資料の作成
などを通常業務と並行して行う必要があります。

「決算処理」と書くと、わずか1行(4文字)ですが、実際には
・在庫の確定
・現金預金の照合
・計上漏れ/誤処理がないかどうかの確認
・勘定科目の内訳確認
・消費税チェック
などの各種チェックが含まれていますので、それなりに負荷がかかります。

税理士事務所に大部分は任せっきり、というパターンもあるとは思いますが、それでも多少なりとも気を遣いながら、時間を使いながらこなしていく必要がある業務だと考えています。

それ以外に4月にやるべきこと

4月というのは、新事業年度(スタート)/前事業年度(決算)以外でも、経理関連でこなすべき業務があります。

その1つが新入社員対応です。

経理関連業務という括りだけではありませんが、管理業務という観点では
・入社式
・新たな給与計算
・各種福利厚生の対応
・社会保険加入手続き
・各種教育の実施
なども必要になります。

受け入れる会社側・経営者側からすると、プラスアルファの業務にはなかなか時間が割けないと感じている方も多いとは思います。

ただ、夢と希望を持って(!?)せっかく社員が入社してくれるわけですが、この先長く戦力として働いてもらうためにも、スタートが大切なのではないかなと。

事業年度のスタート月とはいえ、やるべきことも多く大変なイメージがあるかもしれません。ただ、具体的に書き出してみると、案外大したことはないということに気づくことができるかもしれません。


【編集後記】

昨日は、「ひとり税理士」として活動されている数名の税理士の方とお会いする機会がありました。
「ひとり税理士」といっても、タイプ・雰囲気もいろいろ、みなさん個性があって面白いものだなと改めて感じました。

【昨日の1日1新】

*「1日1新」とは→詳細はこちら

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