法人税率引き下げのありがたさと会計のややこしさ

平成28年度税制改正で法人税率の引き下げが予定されています。
納税者にとっては、税率の引き下げがとてもハッピーであることは間違いありません。
ところが会計面では少しややこしいことが発生します。

一番大きな影響は税効果会計

税効果会計は、経理関係の業務に携わっていない人にとっては、説明を聞いても分かりにくい項目ではないでしょうか。

会計上と税務上では、その考え方の違いによって「費用化することができる時期」にズレが生じることがあります。
そのズレを調整するための会計処理が税効果会計、という説明が一般的でしょうか。
事例を含めての詳細な説明はいつか機会があればということで。

この税効果会計を適用するためには、「そのズレが解消すると見込まれるとき」の税率を使って計算する必要があります。
ですので、将来の法人税率、事業税率などが見直されると、計算に使用する税率が変更されるということになります。

税率の引き下げは会社にとってはメリットがあるものの、経理担当者としては従来は不要だったいろいろな処理が必要になるので、少し面倒に感じるというわけです。

税率の引き下げで会計上の税負担は増える?減る?

これとは別に、少しややこしいのが同じく税効果会計が絡む話ですが、
「税率が下がると会計上の税負担割合が増加する可能性がある」
ということです。

「税率が下がるのに税負担率が増加する?」というのは、なかなかなじみにくい考え方です。

ポイントはあくまでもこの税効果会計は「会計」の処理であるということです。
税金計算上の実際の納付税額は、税率が下がればそのまま下がります。
ややこしいのは会計上の取り扱いです。

・過去に高い税率で税金のマイナス調整(会計上のみ)をしていた場合、
・税率が引き下げられると、マイナス調整をしすぎていたことになるため、
・その修正(税負担がプラス)が必要になる。
という理屈です(繰延税金資産の概念は無視するとして)。

最後に

税務と会計が完全に一致していたら、税効果会計もなくなり、その他の決算作業なども楽になるのにと思うことがあります。
そうなると税務も単純化して、そもそも税理士の役割は何なのか?なんてことにもなるのかもしれませんが。

それはさておき、せめて、毎年少しずつ税率を下げていくのではなく、一気に下げて数年間は固定にしてもらえると実務的には助かる人は多いのではないでしょうか。
財政面を考えるとそう簡単にはいかないので、難しいところですね。

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【編集後記】

膝の痛みをかばって変な歩き方をしていたらしく、今度は両足の裏全体に痛みが・・・
足底筋膜炎っぽいですが、前よりも歩き方がぎこちなくなってきました。
いろいろと経験できて、楽しませてもらっています!?

【昨日の1日1新】

iPhoneで「大集合!ワイワイパーティ」

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