勘定科目ごとに設定されている消費税コード。そのまま使えば問題ない??

会計ソフトでは勘定科目ごとに、あらかじめ標準的な消費税コードが設定されています。
ただ、これをそのまま何も考えずに使えるか?と言うと、それでは間違えてしまう可能性もあるので注意が必要です。

勘定科目ごとに設定する消費税コード。

会計ソフトを使用する場合、あらかじめそれぞれの勘定科目について、消費税の処理方法を設定することができます。

例えば、「現金預金」であれば「対象外」とか、通常の国内売上であれば「課税売上」といった感じですね。

実際の仕訳入力時に修正することもできますが、基本的には、もっとも多く使われる処理方法で登録しておくことが一般的なのではないかと思います。

たとえば
・国内売上=>課税売上
・国内仕入=>課税仕入
・給料=>対象外
・交際費(国内)=>課税仕入
などなど。

弥生会計だと科目設定のページに、次のような設定画面があって、消費税の処理を設定することになります。



これは、雑収入について消費税を「課税売上」として処理するという設定になっているものです。

何も意識しなければ設定通りに。その問題点は?

勘定科目に消費税コードを設定していれば、仕訳を入力するときに何もしなくても、設定されている消費税コードを選択したことになります。

前述の「雑収入」の場合、消費税は「課税売上」として設定されていますので、「雑収入」という科目を選ぶと、「課税売上(消費税の課税取引)」として処理されるということです。

特に何も意識しなくても、「設定通りに処理される」ということになりますね。

これは楽な反面、かえってわかりにくかったりミスの原因となったりもします。

たとえばこの「雑収入」という科目。
「雑」と付いているくらいなので、いろいろな性質のものを処理する可能性がある科目です。

消費税の課税取引(=>会計ソフトの設定通り)もあれば、対象外取引(=>会計ソフトの設定とは異なる)もあります。

もしも、消費税の対象外取引にも関わらず、設定通りの「課税売上」として処理をしてしまうと間違えてしまうということになりますね。

このような場合、
何も意識しないで処理=>設定通り=>課税売上として処理
という「楽さ」の裏返しで、間違えてしまう可能性もあるので注意が必要です。

消費税コードは勘定科目ではなく取引の内容次第で変わる!

なぜこのような間違いが起こってしまうかというと、
・消費税の取り扱いは勘定科目では決まらない
・消費税の取り扱いは取引の内容次第で決まる
からです。

勘定科目によって自動的に消費税コードが決まるのであれば、最初に設定しておくだけで間違いは起こりませんのでかなり楽です。

ところが実際には、「勘定科目」ではなく「取引の内容」によって消費税コードが決まることになります。

もしも、仕訳入力時にうっかり消費税に意識が向かず、「設定した消費税コードのまま」処理してしまうと間違えてしまう可能性があるということですね。

このような間違いを防ぐためには、
・消費税とはどのようなものか?
・消費税はどのような取引に課されるのか?
・消費税はどのような取引には課されないのか?
をざっくりとでも把握しておく必要があります。

ただ、最初から消費税の細かい論点まで覚えたり、いろいろなパターンを頭に入れておくというのはなかなか難しいかもしれません。

それでもまずは
どんな勘定科目でも、仕訳を入力するときには消費税コードをチェックする。
ということを守るだけでも、多少はミスを減らせるのではないかと思います。


【編集後記】

この3連休はみっちりと引越しの準備に時間を取られてしまいましたが、ようやく終わりが見えてきました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

さいたま地方法務局で登記申請書類等の持ち込み


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