不正防止のために外部専門家をチェッカーにする場合の注意点

会社やいろいろな組織における「お金」に関する不正のニュースがあとを絶ちません。

なかなか無くならないお金に係る不正

何日かに一度は見かけているような気がするお金に関する不正のニュース。

「よくもまあ、こんなことができたよな」と感じるものも多いです。

ニュースになるのは不正が見つかった場合で、
・担当者が退職するタイミングで発見された。
・担当替えのタイミングで発見された。
・他の会社からの問い合わせで発見された。
・税務調査で発見された。
などなど、きっかけはいろいろです。

これだけニュースになっている事件が多いのを見ると、もしかすると見つかっていないだけで、世の中には同じような事件が多いのでは?などと思ってしまいますが、実態はどうなのでしょうか。

一般的に業務上横領と呼ばれる罪の場合、「10年以下の懲役」とされていて、金額が大きくてかつ弁償できなければ実刑になることも多いようです。

それだけ罪が重いのにやめることができないのは、心のどこかに
・バレなければ問題ない。
・バレるわけがない。
という感覚があるのではないかと思います。

「さらっ」と見ただけでは見つけられない

この種のニュースを見るたびに
・なぜ長い間見つからなかったのだろう?
・なぜ今回見つかったのだろう?
と感じます。

通常のニュースではあまり細かく報道されることもないので、実際のところは分かりません。

ですが、長い間バレないというのはそれなりに工夫していたという可能性があります。

・担当者に任せきりにして、そもそも細かいチェックをしていなかった。
というケースもあるでしょうし、
・チェックはしているつもりだったが、チェックが機能していなかった。
というケースもあるでしょう。

最近よく聞くのが、
・一見すると辻褄が合っているような書類がきちんと整えられている。
・従って、「さらっ」と見ただけでは見つけることが難しいケースがある。
ということです。

都合が悪い書類を隠すだけでなく、書類(証憑類)そのものを偽造しているケースもあるようです。

チェッカーが当事者意識を持てるかどうかがポイント

「不正」が起こると
・担当者に任せきりにしてしまうのはダメ。
・不正ができてしまう仕組みが問題。
などとよく言われますし、基本的にはその通りだと思います。

また、税理士のような外部専門家である第三者などをチェッカーにすることで、牽制を働かせることも考えられます。

ただしこのような場合でも、注意しなければならないのは

悪意を持って隠そうと思えば、隠すことができてしまうことがある。

ということです。

「監査」の世界でもよく言われることですが、目の前の書類と実際の処理が合っているかどうかは確認できても、そもそも目の前の書類が意図的に改ざんされていたら、発見することが難しいこともあります。

とはいえ、第三者にチェックしてもらうことが有効であることに変わりはありませんので、
・チェッカー自身がしっかりと当事者意識を持つこと。
・改ざんすることができないような証憑でチェックすること。
・そもそもそのような目でチェックすることができる人をチェッカーにすること。
が大切なのではないかと考えています。

「自分が相手の立場で、悪いことをしようと思ったらどのようなことをするだろうか?」
ということまで想像しながらチェックできるような「慎重さ」「性格の悪さ!?」を持ち合わせていることがチェッカーの最低条件なのかもしれません。


【編集後記】

昨日は、興味深いお店で魅力的な税理士(ひとり税理士系)の方々との食事会でした。
どう生きていくのか、いろいろと考えさせられます。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

たまにはTSUKIでも眺めましょ


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする