個人事業を開始するときに必要な書類その4〜事業内容や規模に応じて

個人事業を開始する際の届出書類の第4弾は、
・どのような事業を行うか。
・給料の支払いが発生するか。
など、状況次第で届け出をするかどうかを検討したほうが良い書類いろいろです。

所得税関係

所得税届け出

所得税の棚卸資産の評価方法の届出書

所得税法では、棚卸資産の評価方法(在庫をいくらで計上するか)は、届け出をしない限り、「最終仕入原価法」によることが決められています。

これは、在庫単価をその年の一番最後に仕入れた単価で評価(在庫計上)する方法です。

例えば1月に100円で1個、12月に200円で1個の在庫を買った場合、期末に残っている在庫は
200円×2個=400円(実際には300円しか払っていない)ということが起こり得る方法です。
実際にはこのような極端なケースがあるのかどうか別として、あまり適切ではないということで、企業会計原則では認められなくなっています。

在庫を保有する商売で、この方法だと損益が把握しにくい、もっと自分の事業に合った方法を選択したいという場合は、この届出書を提出しておくと良いと思います。

所得税の減価償却資産の償却方法の届出書

所得税法では、固定資産の減価償却方法は、届け出をしなければ、「定額法」によることが決められています。

定額法とは毎年の減価償却費が定額になる方法のことです。
一方の定率法は、簿価に一定の割合を掛けた金額を減価償却費とする方法です。

購入してすぐのころは、定率法のほうが減価償却費が大きくなるため、節税効果という意味ではメリットがあります(長い目で見れば結局同じですが)。

初年度から固定資産を買うことが決まっていて、減価償却費を大きくして節税効果を取りたい場合には、定率法の届け出をすることでメリットを享受することができます。

またこれら以外に、給与の支払が発生する場合にはこんなものもあります。

・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・・・一定の場合には、給与支払時等に徴収する源泉所得税を、毎月納付ではなく年2回納付にすることができます。

・給与支払事務所等の開設届出書・・・給与等の支払が発生する事務所を開設した場合には届け出が必要になりますが、開業して事務所を設けた場合には、開業届を提出するため届け出は不要になっています。

消費税関係

消費税課税事業者選択届出書

個人事業者は事業を始めた年は消費税を納める必要がありません(免税事業者)。
2年目以降は売上の規模によって納税義務者になる可能性があります。

このような免税事業者が課税事業者になろうとする場合に提出する届出書です。

消費税

普通に考えると消費税を納めないほうがお得な気がします。

しかし実際には、事業の状況(受け取った消費税と支払った消費税のどちらが多いか)によっては、課税事業者になったほうが得なケースもあります。

「受け取った消費税<支払った消費税」という状況になった場合
・課税事業者⇒還付を受けられる。
・免税事業者⇒還付を受けられない。
といった違いが出てくることになります。

ただし、いろいろな制約(すぐには免税事業者には戻れないなど)もありますので、きちんと専門家に相談し、メリットがあるかどうかを確認したうえで検討する必要があります

まとめ

いままで書いてきた届け出関係以外にも、従業員がいれば社会保険関係の手続きも必要になりますし、「そもそも何が必要なのか」を確認するだけでも、かなり面倒に感じてしまう方が多いのではないでしょうか。

こういったことが苦にならなければいいのですが、億劫に感じる人は専門家に任せてしまって、すぐにでも自分の事業に専念するほうが良いのかもしれません。

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【編集後記】
昨日、初めて仕事帰りに自宅近くのイオンにあるスタバに行ってみました。
時間、場所を考えると当たり前ですが、都内と比べてガラガラでびっくり。
おかげで快適に過ごすことができました。

【昨日の1日1新】
スタバ「イオン北戸田店」

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