「残業ありき」ではない環境を当たり前にする。

働き方改革のなかでも何かと話題になる「残業」。
「残業時間」や「残業代」が減らない事情、最低限把握しておくべきことなどを会社側から考えてみました。

「誰でも分かっていること」ですが、実践するのはなかなか難しいだろうなと改めて感じています。

残業代が発生しているパターン

会社のなかで従業員の残業代が発生しているパターン、残業代を請求するパターンとしては、次のように分けられると思います。

残業代0円

そもそも残業代が発生していないというケースです。

  1. 本当に残業時間が発生していない
  2. 残業代支給の対象ではない(管理職など)
  3. 残業時間は発生しているが従業員が請求していない

これらのいずれかに該当するのではないかと。

1.は、職場環境としては理想形ですね。

2.は微妙な問題ははらんでいますが、名実ともに管理職であれば、支給しないことは問題ありません。

一時期話題になった、「名ばかり管理職」でないことだけは、会社としても客観的に確認、整理しておく必要があるとは思いますが。

3.はさらに2つに分かれますね。

1つめが従業員が請求できないというケース。

会社側が残業代の請求を認めていないとしたら、これは完全にアウトです。

2つめが従業員が自主的に(?)請求しないというケース。

「自発的に」とか「自分が必要だから残業している」など、残業しても会社に請求しなくて良いと考えている人もいます。

会社としては、本音ではありがたいと感じることがあるかもしれません。

ただ、将来、なんらかの事情でその従業員と揉めることになった場合など、未払残業として請求されてしまう可能性がないわけではありません。

そのリスクがあるということは把握しておく必要があるでしょう。

毎月変動

残業時間や残業代が毎月変動しているケース。

これは、きちんと実態に応じて支払われているのであれば、とりあえずは大きな問題にはならないかと思います。

もちろん長時間残業の範囲内での変動であれば問題ですが!?

毎月ほぼ一定時間

毎月ほぼ一定時間の残業が発生している場合も注意が必要です。

  1. 本当はもっと残業をしているのに、会社が一定時間までしか残業を認めていない
  2. 残業の必要がないのに、なんとなく残業して毎月同じくらいの残業代を会社に請求する

このどちらかに該当するケースが多いのではないかと思います。

1.は、やはり問題になる可能性があります。

ありがちなのは、人件費をおさえるため、残業代を一定額に抑えたいという状況。

気持ちは分かりますし、実際、過去に所属していた会社、営業部門ではそのような環境で働いていました。

あとあと面倒なことが発生しないようにするためにも、払うなら払う、払わないなら払わない(残業させない)という運用面でのルールを検討する必要があるかもしれません。

2.は結構問題であり、会社として悩ましい問題かなと。

残業しているのであれば、残業代は支払わなければならないでしょう。

ただし、「必要な残業なら」と条件を付けたくなるところではないかと思います。

ハードワークで有名だった某社が残業0を目指すと打ち上げたところ、「残業代がなくなったら住宅ローンが払えないという声が従業員からあがってきた。」という記事を見ました。

またそれ以外でも、「明日やれば良い仕事を今日やって残業代をもらう。」という仕事の進め方が正しいのかどうか。

一概には言えず、ケースバイケースではありますが、従業員任せ、申請されたまま、で流すのではなく、しっかりと確認してみることも必要だと考えています。

減らせる残業/減らすべき残業とは

このなかで、まず減らすことができる可能性が高い残業、あるいは減らすべき残業は、「毎月ほぼ一定時間の残業」が発生しているケースではないでしょうか。

上限を設定してしまっている場合、そもそも従業員はそれ以上に残業しているわけですから、未払の問題が生じる可能性もあります。

また、どうせ終わらないから、残業だから、という感覚で、業務を効率的に進めるという感覚が欠如している可能性もあります。

ですので、残業時間とその業務内容については、しっかりと検証する必要があります。

一見頑張っている風に見える人に、なぜ残業しているの?必要なの?とは聞きにくいかもしれませんが、必要なことですね。

生活のための残業、を削減することにも繋がりますので。。。

「残業代が発生していなければOK」は危険?

・毎月同じような残業時間が発生している
・そのわりにはそこまで忙しそうにも見えない
・就業時間中におしゃべるするなど、残業を減らす努力が見られない

このように感じること、感じてきたことがちょこちょこありますので、「残業」について真剣に考えるのであれば、このあたりの触れにくい部分にも切り込む必要があります。

ただし、その結果、「残業代が発生しなくなればOK」と考えるのは危険です。

前述のように、実際には残業時間があるのに残業代を支払っていなければ、あとあと問題になる可能性もあるからです。

業務を効率化することで
・ムダな残業をしないこと
・ムダな残業をさせないこと
が当たり前になるような雰囲気をいかに作っていくか。

難しいですが、会社としてしっかりと取り組まなければならない課題であり、その結果として「残業代が発生しない」という状態にもっていくことが必要なのだと思っています。

残業代の請求について考えること〜もしかしたら発想がブラック??〜
会社員時代、いろいろな組織で仕事をしてきましたが、残業代の請求に関する取り扱いもさまざまでした。 10年以上前には、今では考えられない...


【編集後記】

先日、Excelマクロのセミナーを受け、少しでも実務で使えるように試行錯誤しながら楽しんで(苦しんで?)います。
「知っているか」「知らないか」の違いというのは、「知らない側」から想像する以上に大きいものだと、改めて実感しています。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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ドライバーのシャフトに鉛


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