その費用は変動費?それとも固定費??〜正確でなくてもOK!?まずはざっくりとでも意識することから始めましょう〜

経営者や経理などの数字を扱う仕事をしている方であれば、「変動費」や「固定費」という言葉は聞いたことがあると思います。

お金をつかうときや費用が発生するとき、それが変動費なのか固定費なのか?というのは、ぼんやりとでも意識しておいたほうが良いと思います。

変動費と固定費

変動費と固定費とは、文字通り、変動する費用と固定されている費用です。

具体的には

・変動費:売上や生産量等の増減にともなって増減(変動)する費用
・固定費:売上や生産量等の増減の影響を受けずに一定額(固定)が発生する費用

という表現で説明されています。

この変動費や固定費というのは、一般な財務諸表(損益計算書)には表記されていません。

財務分析などの管理会計(いわゆる経営のための会計)で使用される考え方になります。

ですので、意識したことがない人にとっては、
・何が変動費?
・何が固定費?
・どこを見れば分かるの?
といった感じかもしれません。

一例として、次のようなものが代表選手です(と言われています)。

*変動費:販売手数料、外注費、売上原価(仕入)など
*固定費:人件費、減価償却費、事務所家賃など

では、財務分析の第一歩として変動費と固定費の区分から始めようとしたとき、どちらか迷う費用があった場合にはどうすればよいでしょうか?

真面目に細かく考え始めると、分からなくなってしまう場合もあると思います。

たとえば、水道光熱費といっても、売上・生産の増減にともなって増減する部分もあれば、毎月一定額に近い金額が発生する部分もあるでしょう。

倉庫の保管料や配送料といった費用も、内容次第、契約次第で変動費・固定費のどちらにもなりえます。

さらには人件費でも、正社員は固定費ですが、忙しい時期だけ働いてもらうアルバイトは変動費になるでしょう。

もちろん、精緻な分析のためには、きちんと管理することも必要かもしれません。

ですが、いままでにあまり意識したことがないという状況であれば、まずはざっくりと意識するということから始めるのでも十分ではないかと思っています。

むやみに固定費を増やしていない?

変動費は売上や生産量に応じて増減するため、必要なときに必要なだけの費用をかけることができるというのがメリットです。

売上が増えれば費用が増え、売上が減れば費用も減るわけですから、会社にとっては使い勝手が良い費用といえます。

逆に、固定費は売上や生産量の増減に関係なく一定額の費用が発生してしまうわけですから、会社にとってはリスクがある費用ということになります。

会社の業績が少し良くなってきたり、忙しくなってくると
・社員を採用しよう。
・給料をアップしよう。
・大きな事務所に引っ越そう。
・何か資産を購入しよう。
となりがちです。

従業員からは、業績が良いんだから給料を上げて欲しい、ベースアップしてほしい、なんて要望が出てくることがあるかもしれません(特に組合などがあれば)。

注意が必要なのは、これらはすべて固定費(あるいは資産)であり、会社にとっては使い勝手が悪いものであるということです。

売上が減っても簡単には社員に辞めてもらうことはできませんし、再び引っ越すとしてもさらに費用が発生してしまいますので、簡単なことではありません。

とはいえ、経理部門にありがちな「なんでもコストを抑えればよい」と言うつもりはありません。

ただ、固定費を増やすのであれば、固定費の問題点をしっかりと認識したうえで、覚悟をもって行うべきだと考えています。

変動費のメリットを生かしている?

同じように費用をかけるのであれば、会社にとって使い勝手が良い変動費のメリットを享受できるように工夫していく必要があります。

そのためには、固定費を変動費化できないかを検討することも1つの方法です。

例えば、典型的な固定費である人件費で考えてみます。

正社員の場合、売上に関係なく一定額の給料が発生します。

一方、パートやアルバイトで忙しいときに働いてもらう場合、売上が多くて忙しいときに発生する給料が増加するわけですから変動費です。

また、正社員が行う業務を外注先に委託すれば、業務があるときだけ費用が発生することになりますので、これも変動費です。

つまり、正社員がパートやアルバイト、外注先への委託などに切り替われば固定費を変動費化することになるわけです。

これは無理やり正社員を減らすということではなく、
・正社員が辞めた場合に補充をどうするか?
・忙しくて人手が足りないときに正社員を採用するかどうか?
といった場面でしっかりと検討すべきであるということになります。

また、給料を多く支払いたいと考えた時に、将来の固定費を増加させるベースアップではなく、変動費となる賞与で支給するということも有効です。

また、たまに見かけるのが、「実質的に固定費化されてしまっている変動費」です。

例えば、業務量に関係なく過去からの延長線で外注先に業務を委託しているため、実質的に固定費になってしまっているようなケースです。

これなどは変動費であることのメリットを享受していないなと感じます。

前述してきたのはほんの一例ですが、
・まずは固定費と変動費とをざっくりとでも意識してみる。
・契約内容の見直しなどにより、固定費を変動費化できないかを検討してみる。
ということには価値があります。

固定費、変動費という考え方を使用する分析は、それからでも良いのではないかと思います。


【編集後記】

新聞では、来年度の税制改正に関する話題がかなり多く取り上げられるようになってきています。
自分にとっての影響、自社にとっての影響など、気になるところですね。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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今日和


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