受け手側から感じる会計監査の限界

会計監査の対象会社に勤務していますが、最近の不正会計をめぐる報道を見ながらいろいろなことを感じています。

会社と監査法人とのかかわり

監査法人による会計監査を受けなければならない組織(会社、学校、自治体など)はいろいろとありますが、一番分かりやすいのが上場会社だと思います。

上場会社は年4回(3ヶ月ごと)、監査法人による監査を受けなければなりません。

監査法人は客観的な立場で会計監査をするわけですから、

会社の敵ではないが味方でもない

というのが本来の立ち位置と言えると思います(専門的に監査論を学んだわけではありませんが)。

実際には、毎月のように監査を受けたり打ち合わせをしていると、お互いの考えていることも理解できるようになりますし、ざっくばらんに相談もしやすくなります。

一から説明しなくても会社のことをよく理解してくれる存在、というのはありがたいと感じています。

監査におけるサンプリングの難しさ

会計監査を受けていて感じる難しさの1つが、監査ですべてを把握することはできないということです。

監査手続き自体がサンプリングを前提としているので当然といえば当然なのですが。

たとえば、ある数値が前期と比べて異常値であれば発見しやすいですのですが、似たような数値でかつ証憑類が整っていれば、そこに誤りがあったとしても発見することは難しいのではないでしょうか。

最近話題の不正会計事件が実際のところ、どこに原因があったのかは部外者としては分かりませんしコメントをする立場ではありません。

もしも不正と分かっていてそのまま放置していたのだとしたら問題外です。

ただ、会社と監査法人があるタイミングで合意した事項について、その後も継続して同様の証憑類が揃っている場合に、後任が果たしてそれを覆すことができるのかというのは非常に難しい問題だと思います。

監査対象からお金を受け取る難しさ

これ以外に、いまさら感もありますが、触れずにはいられないのがこの問題です。

監査法人は客観的な立場で監査をするわけですが、その対価は監査対象である会社から受け取るところに難しさがあるわけです(監査役が選任云々、という話は置いておきます)。

対価を受け取る相手に対して、果たして厳しく監査することができるのか、場合によっては契約が切られるかもしれないような指摘をすることができるのか、というのは難しい問題です。

多くの会社と監査法人は、うまくバランスを取りながらそのあたりを解決しているのはずですが、そのバランスが崩れたときに、ニュースになるような事件に発展してしまうのだと思います。

あらためて感じること

現在の制度が続くことを前提とすると、いつかまた同じような問題が起こるのではないかと感じています。

当然会社側の立場としては自分自身はきちんと責任を果たさなければなりません。

ただ、他の会社については「もしかしたらそんなこともあるのではないか、というくらいの信じ方にしておいたほうが良いかも?」というのは言い過ぎでしょうか。

監査業務に携わっているのは優秀な方々が多いのですから、なんだかもったいない話です。

【編集後記】
今朝スタバで、1時間近くPCでテレビ電話?をしている輩がいました。
しかも大きな声で。。。
英語だから周りに内容がバレないと思っていたのか分かりませんが、あんまりですよね。

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