以前、建設仮勘定という科目について、いつ消費税を計上するかという記事を書きました。
で、それよりももっと一般的な前渡金や仮払金での取り扱いに触れていなかったので、簡単に整理しておきます。
前渡金や仮払金の取り扱い
前渡金や前払金、仮払金について、いつの課税仕入れになるか(仮払消費税を計上することになるか)。
結論としては
お金を払った時点ではなく、実際に資産の引き渡し、サービスの提供があった時点
になります。
たとえば、本体10,000円(消費税800円)の商品を仕入れるときに、あらかじめ10,800円を前払いするケースで考えてみます(税抜経理方式の前提)。
【支払い時】
(前渡金)10,800 (現金預金)10,800 ・・・この時点では仮払消費税は計上しない
【仕入時】
(仕入)10,000 (前渡金)10,800
(仮払消費税)800 ・・・この時点で仮払消費税を計上
このような処理をすることになります。
支払い時に
(前渡金)10,000 (現金預金)10,800
(仮払消費税)800
とはしません(してもいいかもしれませんが、その後の管理が煩雑に)。
上記は前渡金のケースですが、
・前払金
・仮払金
でも同様の取り扱いになります。
似たような勘定科目に前払費用というものがあります。
こちらも前払いの段階では課税仕入れにはなりませんので注意が必要です。
科目名だけでなく内容も確認を
原則的な取り扱い、考え方は上記のようになります。
で、実際に処理する場合には、勘定科目を見て自動的に取り扱いを決めるのではなく、内容を確認する必要があります。
たとえば、仮払金勘定で考えてみます。
仮払金として出張する従業員に現金を渡した場合、その段階では何も発生していません(資産の引き渡し、サービスの提供など)。
したがってこの段階では課税仕入れにはならず、出張旅費の精算時(実際に交通費などが発生した後)に仮払消費税を計上することになります。
【現金を渡すとき】
(仮払金)〇〇 (現金)〇〇
【出張旅費の精算時】
(旅費交通費)〇〇 (仮払金)〇〇
(仮払消費税)〇〇
一方、実際にサービスの提供を受けたものの、処理すべき勘定科目が決まらず、とりあえず仮の科目として仮払金で処理するケースもあると思います。
その場合には、すでにサービスの提供を受けているわけですから、仮払金を計上するときに仮払消費税も計上することになるわけです。
【支払ったとき】
(仮払金)10,000 (現金預金)10,800
(仮払消費税)800
【勘定科目が決まったとき】
(支払手数料)10,000 (仮払金)10,000
このように、「仮払金という勘定科目だから自動的に〇〇」となるわけではありません。
消費税を計上するタイミングに注意が必要な理由
以前にも書いていますが、消費税をいつ計上するかによって納付すべき消費税額の計算が変わります。
納付すべき消費税額=預かった(受け取った)消費税額 - 支払った消費税額
このように計算しますので、預かった消費税額と支払った消費税額の計算が違えば、納付すべき税額も間違えてしまうことになります。
上記で書いた事例も、
全体で見れば、結局いつかは仮払消費税を計上するのだから一緒じゃない?
とも思えます。
ただ会社には必ず決算があるように、消費税を計算する期間(課税期間)も決められています(事業年度と同じケースが多いかと)。
その課税期間をまたいで取り扱いを間違えてしまうと、その課税期間分として「納付すべき消費税額」も間違えてしまうということになるわけです。
決算や課税期間をまたがない場合にどこまで厳密にやるか、やれるかという問題はありますが、とりあえず正しい処理方法をイメージしておくと良いのではないかと思います。
【編集後記】
なんと!薬を飲まなくても、「鼻うがい+アルファ」であることをやれば、花粉症が治るという記事を見かけました。
薬を飲む前に試してみようかと。
効果があればまた報告したいと思います。。。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
ハムチーズマヨ(ファミマ・ベーカリー)