時間外のメールを禁止する!?本当にやるならその前に考えたほうが良いこと。

先日の日経新聞で、「仕事のメール 時間外は禁止」という記事が掲載されていました。

時間外のメールを禁止する!?

記事によると、勤務時間外のメール業務を規制する動きが世界で広がっているようです。

ニューヨーク市議会では「つながらない権利」の条例案が審議中で、その条例案とは

勤務時間外のメールやチャットなどに返信するのを従業員に強いるのを禁じる

というものらしいです。

具体的に紹介されているのは
・対象は従業員10人以上の企業
・時間外のメールに返信する必要がないなどのルールを明文化して周知することが義務
・返信しないことによる懲罰的な扱いを禁止
・違反があれば罰金
という内容でした。

自宅でも仕事ができる環境が整い、飛行機でもネットにつなぐことができるようになり、「逃げ場」がなくなったというで、いろいろな問題が起こっているようです。

効果あるの?という疑問

この記事を読んでいて、そうは言っても「効果あるの?」という気もしていました。

メールの受け手に「返信しなくて良い権利」が与えられるとしても、実際にはメールが届いたら対応しなければいけなかったり、どうしても気になってしまったり。

ブラックかどうかの議論は置いておくとすれば、たとえば

・部下のAさんは勤務時間外のメールは返信しない権利を行使中
・部下のBさんは勤務時間外のメールでも対応できる範囲で対応する

という2人の部下がいた場合、どちらに大切な仕事を任せたいか?と言えば、「Bさん」と考えるのがごく自然なことではないかと。

そうなるといくら「権利が・・・」と言っても、Aさんはあまりハッピーではない環境に身を置かざるを得なくなってしまう可能性もあるわけです。

そうするとAさんは、
・それでも権利を行使し続けるか
・権利を放棄するか
・居づらくなって辞めるか
という選択を迫られることになってしまったり。

その意味では本当にやるなら、
・送信自体ができない
・メールが届かない
・見たいと思っても見られない
という環境を作らない限り、本当の意味での効果は出てこないのかなと。

めちゃめちゃ不便じゃん!という環境を無理やり作ってしまう、ということですね。

本末転倒のような気もしますが、なかなか難しいところですね。

ちなみに記事の中では、独のダイムラー社が2014年に導入したしくみについて触れられていました。

それは、「休暇中の社員あてのメールが自動的に消去されるしくみ」で、送り手はその社員の休暇終了後に再送するなどして対応することになるらしいです。

休暇明けにメールが山のように溜まっているという事態からは解放されるということになります。

この方法がベストかどうかは別として、これくらいやらなければ、本当の意味で浸透させていくことは難しいのでしょうね。

会社支給の携帯も同じ!?

だいぶ前に営業の仕事をしていたとき、会社から携帯電話が支給されていました。

「24時間年中無休」は極端としても、いつお客様から電話がかかってくるか分からないときには、常に携帯を手元に置いてチェックしていました。

その後、営業でも取り扱い製品が変わり、時間外に電話がかかってくることが無くなって以降は頻繁にはチェックをしないようになりました。

で、あるとき、部署の先輩から時間外に電話がかかってきて出られなかったところ

「なんで電話にでないの?」

と詰問されたことがありました(もちろん緊急事態ではないときに、です)。

こちらからすると「はっ?」なのですが、たぶん本人は何も感じていなかったのだろうなと。

そう考えると、前述のメールでも携帯でも、はらんでいる問題は同じなのだと思います。

こんなこともあるので、「規制」するならお互いが自然に守らざるを得ないものにしないと、あまり意味がないのかなと感じています。

まず最初に考えたほうが良いこと

「どこでも仕事ができる」という環境が整って便利になった反面、それが

「どこでも仕事ができてしまう」=>「どこでも仕事をしなければならない」

に変わってきていると感じている人にとっては、このような規制はありがたいかもしれません。

私のようにひとりで仕事をしていると、
・自分がやりたいことを
・自分がやりたいスタイルでやればよい
ので、このあたりのストレスからは解放されています。

会社でも経営者はこの感覚だと思いますので、そこで社員とのギャップが生まれることにも繋がってしまうのかもしれません。

「時間外のメールが・・・」なんてことを社員の方が感じることがないくらいに、会社への思い、仕事への思いを持ってもらえることが理想ですね。

そんなの分かってるけど、無理に決まってるじゃん!という声も聞こえてきそうですが・・・一応、理想は理想、ということで。

とりあえず、経営者や上司などがメールを送る場合にまず最初に考えたほうが良いことは

・受け手はメールが届いたら反応したくなる
・メールだけだと緊急性が分からないケースもある

ということを踏まえながら、「緊急要件以外はできる限り時間外のメール送信を避ける!」ということではないかと考えています。


【編集後記】

Parallelsをアップグレードしたばかりですが、そろそろパソコンを買い換えようかと考えています。
少しずつ情報収集を開始しています。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

Parallelsアップグレード
東京商工会議所


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