経営者が頼れるのは利益？それともお金（キャッシュ）？

利益が出ている会社は良い会社でしょうか？
一般的には良い会社でしょう。
ただ、利益が出ていればOKかというと、そうとも限りません。

経営者が頼れるのは「利益」か「お金（キャッシュ）」かと考えると、間違いなく「お金」です。

最後は「お金」という考え方

よく言われることですが、会社の業績が悪くても、「お金」さえあれば会社を続けることは可能です。

逆に、業績が良くても（利益が出ていても）「お金」がなくなれば倒産することもあります。

「黒字倒産」と呼ばれるケースで、利益が出ていても（黒字でも）資金繰りがうまくいかず、借金の返済や支払いができなくなって倒産してしまうことがあるのです。

利益でご飯を食べることはできませんが、お金があれば食いつなぐことができます。

そのような意味でも、最後はやっぱり「お金」という考え方をしっかりと肝に命じておくべきではないかと思っています。

財務諸表のお役立ち度

一般的な財務諸表としては
・損益計算書（一定期間の損益を計算するもの）
・貸借対照表（資産や負債の残高を表示するもの）
・キャッシュフロー計算書（一定期間のお金の増減の内容を表すもの）
があります。

この中で「もっとも馴染みがあるもの、比較的分かりやすいものはどれ？」と聞かれると、損益計算書と答える方が多いのではないかと思います。

その次が貸借対照表、キャッシュフロー計算書の順になる方が多いでしょうか。

ですが、“最後はやっぱり「お金」”という考え方からすると、知っておいたほうが良いものの順序は、正反対です。

「お金」が分かりやすいのは、キャッシュフロー計算書、貸借対照表、損益計算書の順だからです。

言い方は悪いですが、利益はごまかしたり、取り繕うことができても、お金をごまかすことはできません。

キャッシュフロー計算書や貸借対照表では、実際には無いお金を「ある」とすることはできないからです。

資金繰りやお金への意識が低いケース

お金への意識が低い場合にありがちな代表的なケースをいくつか見てみます。

支払サイトや回収サイトへの意識が弱い

新規で取引を始める場合には、「サイト」を意識する必要があります。

・商品や物品を買ってから実際に支払うまでの期間を支払サイト
・商品を売ってから実際に回収するまでの期間を回収サイト
と呼びます。

回収サイトは短く（早く回収）、支払サイトは長く（ゆっくり支払）すると、資金繰りが楽になります。

＊支払サイト：１ヶ月、回収サイト：２ヶ月の場合
回収する前に支払いが必要になるため、１ヶ月間はお金が足りないということになります。

＊支払サイト：２ヶ月、回収サイト：１ヶ月の場合
回収したあとに支払うことになるため、１ヶ月間はお金が余っていることになります。

取引条件は取引先との交渉事ではありますが、このようなことを意識しながら交渉してみる価値はあります。

安全をみて持ちすぎる在庫もお金が足りない原因

在庫は資産ではありますが、当然ながらお金ではありません。

在庫を持つということは、その分のお金を眠らせているのと同じことです。

それが営業上必要な在庫であれば仕方ありませんが、「欠品しないように」などの理由で過剰な在庫を長期間保管し続けると「お金が足りない」という状況になりかねません。

資金繰りに余裕のある会社であれば影響はありませんが、そうではない会社がこれをやると資金繰りが悪化しますので、注意が必要です。

すぐに借入ができる会社であっても、かなり厚めの在庫を確保してしまったために追加借入を検討している様子などをみると、もう少し工夫できなかったのかな、と思ったりもします。

もっとも、現在は借入コストが安いので、できる限り借りておくという選択肢もなくはないのでしょうが。。。

回収できない売掛金や回収見込みが低い売上もお金に繋がる？

回収できない売掛金は、将来もお金に変わることはないので資産とは言えません。
できるだけ早く帳簿から落としてしまうべきです（税務上の取扱いは要注意ですが）。

また、回収見込みが低いと予想される客先への売上も、将来お金に変わる可能性を冷静に判断しなければいけません。

売上や利益欲しさにギャンブルのような取引をしてしまい、お金が入ってこなかったら元も子もありませんので。

常に意識の中に「お金」を置いておくこと

繰り返しになりますが、会社を継続して発展させていくためには、「利益」だけでなく「お金」も常に意識しておくことが大切です。

また、いかにお金を手元に残すかを考えた場合、必ず悩むのが節税対策です。

節税対策にもいろいろありますが、やはり大前提として考えるべきことは
「いかにして会社に多くお金を残すことができるか？」
です。

そのあたりはまた改めて書きたいと思います。

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【編集後記】

連休中、実家近くのさきたま古墳で行われた「さきたま火祭り」という祭りを見てきました。
最後には短時間ですが花火もあり、そこそこ楽しむことができました（１回見たら十分かなという感じではありますが！？）。

【昨日の１日１新】
＊「１日１新」とは→詳細はこちら

ローソンの新しいサラダ
さきたま火祭り
実家近くにある新しくできた書店