営業マンが運転中に交通違反をした場合の費用負担と税務上の取り扱い

営業マンやその他の社員でも、運転中に交通違反をしてしまうことがあります。

その場合の費用を会社が負担するときの取り扱いを簡単に整理してみます。

交通違反をした場合の反則金を会社が負担する場合

営業マンや営業マン以外の社員でも、仕事で運転する機会があるケースは多いと思います。

・営業活動
・商品配達
・銀行や役所回り
・通勤
などなど。

社用車の場合もあれば、自家用車を業務用として使用している場合もあるでしょう。

そんな仕事での運転中に、ついつい交通違反をしてしまったという経験がある人は、結構多いのではないかと想像しています。

・スピード違反
・シートベルト未着用
・駐車違反
・一時不停止
・携帯電話
あたりが多いのではないかと。

私自身、営業マン時代には
・シートベルト未着用
・一時不停止
で、２度つかまった経験があります。。。

あくまでも悪いのは自分です。

ただ、仕事での運転中に違反でつかまって、自腹で罰金を払って、なんてちょっと虚しいな・・・と思った記憶があります。

で、もしもこのような交通違反をしたことによる反則金を会社が負担することにした場合、次のように取り扱うことになっています。

会社の業務遂行に関連するもの

業務中に（業務遂行に関連して）運転していたときの交通違反による反則金を会社が負担した場合、

・会社の経費

にはなりますが、

・税金上の経費（損金）

としては認められません。

悪いことをして罰金が課せられているのに、それだけ経費が増えて税金が減るのはおかしいので、税金上の経費にならないのは当然といえば当然ですね。

なお、税金上の経費にはならないとしても、会計上は会社の経費になります。

あくまでも会社の経費になるので、違反を犯した社員に対する給与として取り扱う必要もなく、その社員にその分の所得税が課されることもないということになります。

冷静に考えると、いくら業務中とはいえ、違反をしたのは個人の責任では？という気がしないでもないです。

ただ、もしも「会社が負担してあげる」と決めるのではあれば、このような取り扱いになるということです。

会社の業務遂行に関連しないもの

では、会社の業務遂行に関連しない運転中に交通違反があって、その反則金を会社が負担する場合はどうなるでしょうか。

基本的に、それはその社員に対する給与ということになり、当然、所得税の源泉徴収の対象にもなります。

本来、会社が負担すべき費用ではないので、「会社の罰金」ではなくて「社員への給与」になります。

なお、「社員への給与」なので税金計算上の経費にもなります。

ただし、注意が必要なのが、その違反をしたのが役員の場合です。

役員が業務以外で違反を犯してしまい、その反則金を会社が負担したときは、その役員への報酬ということになります。

役員ですから、その報酬が税金上の経費として認められるには、制限があります。
（毎月一定額、事前に届け出る、など）

交通違反の反則金では、この要件を満たしていないので、税金上の経費にすることはできません。

従業員と社員とではこのような違いが出てくることになります。

そもそも、「業務以外の違反による反則金を会社が負担する」というケースがかなりイレギュラーなことではありますね。

もしかすると役員の方が「会社に負担させてしまおう」と安易に判断しているのかもしれません。

それでも、会社の税金、個人の税金ともに影響があるということは理解しておいたほうが良いでしょう。

会社が負担した場合の取り扱いを整理すると

簡単に整理すると、次のようになります。

業務遂行に関連するもの

・罰金として会社の経費（会計上）
・社員への給料、役員への報酬にはならない（源泉徴収の対象ではない）
・罰金なので税務上の経費（損金）にはならない

業務遂行に関連しないもの

・給料、報酬として会社の経費（会計上）
・社員への給料、役員への報酬になる（源泉徴収の対象）
・役員への報酬は税務上の経費（損金）にはならない

会社がお金を払う以上、会社（会計上）の費用にはなりますが、その内容次第で、税金計算上の取り扱い（法人、個人とも）が変わるということになります。

そもそも会社が負担するのかどうかという問題

上記で書いてきたのは、役員や社員が運転中に交通違反をしてしまった場合の反則金を会社が負担してあげることを前提とした取り扱いです。

当然、違反した本人が自分で負担する分には、会社での取り扱いは発生しませんので、一切関係ないということになります。

では、会社が本当にそこまでの負担をしてあげる必要があるのかといえば、個人的にはその必要はないと思っています。

前述の通り、自分自身が２回の違反で、ちょっとやりきれない思いを持ったことも事実ではありますが。。。

もし会社が負担してくれるとなれば、違反したときの金銭面での痛みも少なくなり、抑止力が働きにくくなることもあるでしょうし（点数のことはありますが）。

それでも、会社によってはいろいろな事情もあるでしょう。

もしも会社が反則金を負担するならこのような整理になる、ということくらいはざっくりと捉えておくと良いのではないかと考えています。

【編集後記】

昨日は外出先からの帰り道にiPhoneがおかしくなり、夜もバタバタとその対応に追われていました（原因や対処方法を調べたり、Appleの修理窓口の空き状況を調べたり・・・）。
そのせいで、やりたいことが徐々にたまってしまっているので、なんとかしなければ。。

【昨日の１日１新】
＊「１日１新」とは→詳細はこちら