「各自の判断に任せる」は相手への信頼?それとも無責任?台風通過後の駅での大混雑を見て。

「各自の判断に任せる」というのは、「相手への信頼」によるものだと思いますが、
考え方によっては「無責任」と言えるかもしれないと感じたりしています。

恒例?「駅での大行列」

関東地方では、今週月曜日の早朝に通過した台風の影響で、各交通機関でも大混雑が見られました。

JRや私鉄からは、前日のうちに計画運休が発表されていましたが、

「8時頃から運転開始」という情報にもとづいて、多くの方が駅に向かったものの、

運転開始が延び延びになったために、駅周辺での大混雑につながってしまったようです。

駅に入るために大行列が出来ていたり、何時間も駅で待ち続けている様子がテレビでも流れていました。

行列に並んでいる人へのインタビューでも

・〇〇時間、待ってます。
・そろそろ動くかなと思って。
・自分だけ休むわけにはいかないので。

などなど、台風や大雪のときによく聞かれるようなコメントのオンパレードで、

改めて大変だなと思うとともに、私自身は外出予定がなくてよかったと感じていました。

「各自の判断に任せる」の是非

今回のようなケースでは、多くの会社が社員に対して

・出社できるかどうか
・出社できるとして何時頃に出社すればよいか

については、

「各自の判断に任せる」

という対応をしていたのではないかと思います。

これは会社・経営者からすると

「社会人なんだから、いちいち細かく指示しなくても大丈夫だよね」

という「相手への信頼」をベースとしての対応といえるでしょう。

「相手への信頼」というと響きは悪くないのですが、今回のような台風などの場合には、

「無責任」と紙一重

だったりするのではないかと思ったりもしています。

真面目な社員ほど「判断を任されたからには外したくない」という気持ちから、
「早めに行かなければ!」
と考えてしまいがちなのではないでしょうか。

で、早めに駅に行った結果、冒頭のような大変な状況に巻き込まれてしまう、ということに。。。

社員からしてみると
・自分だけ休むわけにはいかない
・自分だけ遅れるわけにはいかない
という感覚を持ってしまう以上、「自分の判断に任される」というのは少し辛いものがあります。

「電車が動き出したとしても、駅が大混雑しているだろうから午前中は休もう」
という判断をするのはなかなか難しいのではないでしょうか。

であれば、このような事態が起こることは想像できるわけですから、最初から

午前中は出社不要!

と会社・経営者が宣言してしまったほうが、社員の負担を減らすことにも繋がるのではないかなと。

余談ですが、
・責任感が強くて真面目な人ほど、早めに行こうとして巻き込まれる
・そうでない人、割り切ってしまっている人ほど、遅くスタートするので巻き込まれにくい
というのが、緊急時「あるある」なのかなと思っています。

責任感が強い社員を無駄に疲弊させないためにも、
「各自の判断に任せる」
よりも、

原則として「出社不要!」(間に合って出社する分にはOKだけど・・・)
としてみてもよいのではないでしょうか。

分かっているなら備えられること

交通機関が乱れていて大混雑に巻き込まれるくらいなら、

「休めばいいじゃん!」
「自宅で仕事をすればいいじゃん!」

と言うのは簡単なのですが、実際にはそれでは仕事が回らないケースもあると思います。

「体が会社になければできない業務」であれば仕方ありませんが、

遠隔で対応できる業務であれば、普段からインフラを整備しておくことで、
緊急事態に備えることも可能でしょう。

また、今回のように台風が来ることがあらかじめ分かっている状況で、

「駅の大行列に並んででも早めに会社に行かなければいけない」
理由が本当にあるのであれば、

会社近くのホテルや会社に泊まればよいだけなのではないかと。

何はともあれ、会社によってあるいは個人によっていろいろな事情があると思いますが、

やれるだけの準備もせず、
個人の自主性に任せて
とりあえず頑張らせる。
というようなところから、一歩でも先に進める工夫を検討してみるとよいのではないかと考えています。


【編集後記】

昨日はとあるセミナーに参加して、2つの税理士事務所の運営について話を聞いてきました。
私とはまったく価値観が異なる内容だったこともあり、いろいろな事務所があるものだなと感じるとともに、自分のなりたいイメージを再確認するよい機会となりました。

【昨日の1日1新】
「1日1新」とは→詳細はこちら

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