退職金制度で悩んでいるなら「中退共」は検討の価値あり!

中小企業の中には退職金制度を設けていない会社もありますが、従業員の満足などを考えると、やはり何かしらの制度はあったほうが良いのではないかと思います。

もし退職金制度で悩んでいるなら、いろいろなメリットがある「中退共」と呼ばれる制度を検討してみてはいかがでしょうか。

「中退共(ちゅうたいきょう)」とは

中退共制度とは、中小企業のための退職金制度です。

「独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部」が運営しており、略して「中退共」と呼ばれています。

サイトのリンクを貼っておきます。
https://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/index.html

サイト内の記載によれば、平成29年2月末現在で
・加入している企業:36万以上
・加入している従業員:3百万人以上
とのことで、かなり多くの会社に利用されていることが分かります。

ざっくりした制度の仕組み

ざっくりした制度の仕組みは次のような感じです。

契約と納付:会社が中退共と契約を結んで、毎月、掛金を納付する。

従業員の退職時:中退共からその従業員に直接退職金が支払われる。

次のメリットでも書きますが、この仕組みは会社にとっては大きなメリットがあるのではないかと考えています。

毎月の掛金:5,000円から30,000円の間で、従業員ごとに任意に選ぶことが可能。
(10,000円までは1,000円ごと、10,000円超は2,000円ごとで、掛金は16種類。
パートタイマーは特例で、2,000円、3,000円、4,000円の掛け金でも加入できる。)

仕組みの全体像は書ききれないので、細かい情報が必要であれば、サイトをチェックするか専門家などにご相談されても良いかと思います。

いろいろなメリット

この「中退共」にはいろいろなメリットがあります。

こちらもざっくりですが。。。

管理が簡単で手離れが良い

前述した通り、会社は毎月の掛金を納付したらそれで終わりです。

例えば
・従業員の退職時に現金を用意しなければならない。
・会計上、「退職給付引当金」を計算・計上しなければならない。
といったことからも解放されます。

通算制度(新規加入時のみ)

中退共では、新規加入時のみ、加入前の雇用期間を通算する(退職金の計算に含める)ことができます。

次のような条件はありますが、加入前の期間も通算できるというのは、従業員にとって大きなメリットではないかと思います。

(条件)
・すでに1年以上勤務している従業員限定
・加入申込み時までの継続した雇用期間(最高10年)を通算可能
・過去分については、通常の掛け金とは別に納付する必要がある

節税

中退共の掛金は、全額が損金として認められています。

通常の退職給付引当金は、退職時に全額が損金になりますが、中退共なら前倒しして、毎年損金することができるということです。

また、「通算制度」を使って過去分を納付する場合にも、その掛金は損金にすることが可能です。

これら以外にも
・補助金(新規加入時の助成、掛金月額を増額する場合の助成)
・掛金を上回るリターン
などもメリットになります。

注意点

いろいろなメリットがある中退共ですが、注意点もいくつかあります。

まずは、そもそも加入できる企業が限定(中小企業のみ)ということです。


*サイトのスクリーンショット

また、従業員は原則として全員(一部の例外を除く)加入する必要がある一方、役員は加入することができません。

従業員が役員になった場合も同様で、役員に就任した時点で退職金の請求手続きを行うことになります。

デメリットも

簡単にデメリットも確認しておきますと、次のようなものが考えられます。

・従業員が短期間で退職した場合
:11ヶ月以下は退職金支給なし、23月以下は納付総額が下回る。

・掛金の減額がしにくい
:減額変更が認められるのは「減額を従業員が同意した場合」など。

・懲戒解雇の場合にも支払われる
:会社が退職金を支給するわけではないため、何もしなければ支払われてしまう。

退職金の試算(シミュレーション)も可能

具体的に検討するにしても、
・毎月の掛金
・受け取ることができる退職金
がいくらくらいになるのかが分からないと、なかなかイメージが湧かないかもしれません。

その場合には、中退共のホームページ内に、「退職金試算」というメニューがあり、シミュレーションをすることが可能です。

試しに、掛金月額を2万円、納付期間を38年とした場合でシミュレーションしてみました。

912万円を掛金として納付し、1,100万円くらいを退職金として受け取ることができるという結果になりました。

退職金制度という性質上、制度そのものを頻繁に見直すことはできませんが、もしも会社・従業員の双方にとってメリットがありそうであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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【編集後記】

eLTAX(地方税の電子申告)で、基本的な操作にもかかわらずやり方が分からず、マニュアルにも載っていないという事象にかなり時間を奪われました。
うまくいったのでよかったのですが。。。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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