税理士登録していると、所属している税理士会から会報が毎月届きます。
その中でかなりの頻繁に登場するのが「研修受講義務に対応してください」という記事です。
目次
税理士に義務付けられている研修受講
研修受講義務
税理士には年間36時間の研修受講が義務付けられています。
業界として税理士業務の「質」を担保するため、研修受講を義務付けるということ自体は、なんとなく理解はできます。
古い税務知識しかない税理士に業務を任せて、一番困るのは顧問先ですから。
1年間で36時間
ただ、この36時間という時間についてはいろいろな意見があるようです。
月平均3時間ですから、月1回セミナーに参加したらクリアできるレベルです。
大々的に「研修受講義務」と言う割には大したことがない(少ない)ように思います。
しかし、「聞いてみたい」「役に立ちそうな」研修が十分に用意されているということが大前提になります。
選択できる対象講座が定められているため、人によっては魅力的な講座を受講しても36時間に達しない可能性があります。
税理士実務に役立つ内容で、自分が魅力的と感じるものでも、研修として認められていなければ、何時間受講したとしてもカウントされません。
ここが1番ネックとなる部分なのではないかと感じています。
9ヶ月間の個人実績
税理士会の会員ページで自分の今年度(平成28年4月〜現在まで)の受講実績を確認したところ、53時間くらいでとりあえずクリアしていました。
興味があって聞いてみたかった1日研修に4〜5回参加したのが大きかったようです。
クリアすることを目標にしていたわけではないので、どうという感想もありませんが。。。
税理士に義務付けられている研修受講〜サラリーマン税理士でも問題ありません
研修受講の目的は?36時間をクリアすること?
今回の会報で書かれていた表現で、次の表現が少し引っかかりました。
「会員の皆様には年間36時間の受講義務達成に向けてご尽力いただいているところです」
「義務化」されているので、36時間が基準のようになってしまっています。
しかしその達成が目的ではないので、「達成に向けて尽力」という表現がしっくりきません。
それよりも、人によって、魅力的と感じる研修を積み上げてもクリアできない可能性を排除することに尽力していただきたいかなぁと思ったりもしています(言うのは簡単ですけどね)。
ちなみに関東信越税理士会では、12月時点での達成率は1/3程度のようです。
残り3ヶ月でどの程度まで上がってくるのでしょうか。
形式面だけクリアすることも可能ですが
集合研修や毎月の例会に参加すると研修時間としてカウントされますが、始まったら速攻で帰っていく人の姿を見かけることもあります。
やむを得ない事情があるのかもしれませんが、それを繰り返しても36時間を形式的にクリアすることは可能です。
またe-learningの場合、見てるか見てないか分からない程度にしか見ていなくても視聴時間が加算されます。
中身を伴わず、形式だけクリアしても意味がないとは思いますが、「義務化」となるとクリアすることが目的になってしまうことは大いに想定されることです。
研修受講の働きかけは「きちんと挨拶しましょう」に似ている?
税理士に対して「税理士の資質向上のために研修を受けましょう」という当たり前の働きかけを見るにつけ、思い出すことがあります。
それは、某社の某部門における目標のなかに、「きちんと挨拶すること」が含まれているのを発見したときのことです。小学校ではなく会社です。。。
その違和感たるや半端なかったです。
そして、研修36時間への働きかけには、それと同じような何とも言えない印象を受けてしまうのです。
終わりに
36時間の基準を達成することが出来ない人のなかには、定められた研修には無いような専門性を武器に、顧問先に対して大きな価値を提供している人もたくさんいます。
また、その逆もあるでしょう。
いずれにしろ顧問先の会社にとっては、36時間の基準なんて全く関係ありません。
・新しい情報にアップデートされているか。
・自分にどのような価値を提供してくれるのか。
ということこそが重要なポイントのはずです。
税理士としては、常に厳しい目で見られていることを意識して、現状に流されないようにしなければならないと強く感じています。
一方、会社側の立場からは「何年間も知識が止まったままの税理士でないか」については、しっかりとチェックすることが必要です。
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【編集後記】
関東地方は雪の予報がどうやら雨の予報に変わりつつあるようですね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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