従業員に経営意識を高めてもらうために必要なことは?

松下幸之助さんは常に社員に経営意識を持たせたいとお考えになっていたようです。

多くの経営者の方々も同じように考えているのではないかと思います。

社員に経営意識を持たせよ

以前にも何度か紹介していますが、松下幸之助さんの教えや言葉をまとめた本があります。

世の中には松下幸之助さんに関するたくさんの書籍がありますが、とりあえず毎日パラパラ眺められるということで、この本を気が向いた時に読んだりしています。

そのなかに「社員に経営意識を持たせよ」という項目がありました(11月22日「いい夫婦の日」のページです、どうでもいいですが)。

この本の著者の木野さんによると

衆知の経営をしていくには、社員一人一人が社長のような気持ちで働くことが一番大事。

とのことで、

「常に社員に経営意識を持たせたい」と松下幸之助さんはお考えになっていたようです。

「衆知」とは「多くの人々の知恵」であり、この「衆知を集めること」「衆知を集めた全員経営」に重きを置かれていたようです。

だからこそ、「社員は会社の宝」であり、「全員に経営者のような意識を持って欲しい」という思いを持たれていたのでしょう。

社員が経営意識を高めるために必要なこと
(従業員時代に感じていたギャップ)

自分自身の若い頃や会社員時代を振り返ると

「経営者のような意識で仕事に取り組むことが大切」

ということは、上司・先輩・外部・書籍など、いろいろなところで聞かされてきたことだったと思います。

「分かってるよ、そんなこと!当たり前じゃん。」
なんて思っている人も実際には結構多いのではないかなと。

ただ振り返ってみて、
実際に経営者のような意識で仕事に取り組めていたかどうか?
と考えると、まだまだだったな、と感じることもあります。

・本当の意味で当事者意識がない
・経営の意識というのがどういうものなのか、具体的に理解できていない
・経営意識を持とうとしても、どのようにしたらその意識が持てるのか分からない
・目先の業務が忙しくて自分自身の意識のことにまで気が回らない
・理想論としては理解できても「でも経営者ではないし・・・」という意識
・経営者がどのようなことを考えているのか、意識しているのかが分からない
など、いろいろな理由があるのではないでしょうか。

これらをまとめて端的に表してしまえば、

「情報が足りていない」

ということに尽きるのではないかと思っています。

「経営者も従業員も持っている情報が全く同じ」ということはあり得ませんし、必要ありませんが、そのような意識を持つために必要な情報を提供していく、ということは必要です。

経営者側の立場からできること

このように見てみると、まず最初に考えるべきことは

きちんと情報の提供ができているか?

ということになると思います。

もしも経営者の方が従業員に対して
・経営意識を高めて欲しい
・もう少し経営的な観点から物事を考えて欲しい
と感じることがあっても、従業員の方のほうに十分な情報がなければ、「それは無理」と思った方がよいかもしれません。

*100%の情報を持っているAさん<=>10%の情報しか持っていないBさん
この二人が同じような思いを持てるか?といえば、おそらく難しいです。

同じように、もし自社の財務状態(過去/現在/未来)が分からない従業員に「会社のお金、業績、将来のこと」を考えてほしいと思ったとしても無理があるでしょう。

結局、繰り返しになりますが、経営者側の立場からできることは、まずはきちんとした情報提供ということになります。

どんな情報を提供するかは、会社の状況、従業員との関係性など、いろいろなことが絡むので一概には言えませんが、
・経営者の理想像、夢
・会社が目指したい方向、理想の姿
・その結果、従業員の方が得られるメリット
などは、最低限必要なことかなと。

そのためには、会社の財務データなども、問題ないレベルまでであれば従業員に開示することを検討しても良いでしょう。

見せたくないところはぼかせば良いでしょうし。

そのほうが「なぜ社長はこんなことを言うのだろうか?」というような疑問や不信感も減らせますし、結果として「同じような思い」「経営意識」を持ってもらうことにも繋がりやすくなるのではないかと思っています。

もしも、従業員に対して「社長自らは言いにくい」ということであれば、外部の人(顧問税理士など?)を利用して「話してもらう」「伝えてもらう」のも良いかもしれませんね。


【編集後記】

昨日は、痛風の足を引きずりながら、研修で訪れていた京都から帰ってきました。
ちょっとした段差の不便さ、足早に横を通り過ぎる人の恐怖、早く歩けないもどかしさなど、普段からそのような思いを持ちながら生活されている方の気持ちがよく分かりました。
逆の立場になったとき、その思いを忘れないようにしないといけないですね。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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