予算(計画)を作るときは「利益」だけでなく「お金(キャッシュ)」のことも考えておくことが大切。

会社でも個人事業でも、予算(計画)を作るときには、売上や利益だけでなく、「お金(キャッシュ)」のことも考えておくことが大切です。

まずは予算(計画)を作ること

事業計画、利益計画、業績目標、予算。
いろいろな呼び方がありますが、いわゆる業績の目標(予算)を作成されているでしょうか。

・売上・利益の見込みはだいたい自分の頭に入っているから予算はいらない
・予算を作ってもどうせブレるから作らない
・予算を作るメリットを感じない(なぜいるの?)
など、いろいろな理由により作成されていないケースがあるかもしれません。

確かに、作り方次第、使い方次第では、作っただけで使えない予算になっている可能性もありますので、その感覚というのも分かる気がします。

ただ、できれば、多少粗くても何かしらの予算は作成してみるとよいと思います。

・前年と比べて売上が増えるのか、減るのか。
・前年と比べて利益が増えるのか、減るのか。
・売上、利益が「増える/減る」としたら、どれくらいの増減になるのか。
・売上、利益がイメージ通りに増えない場合、どのような手を打つべきなのか。

このあたりのことをしっかりと意識して、将来につなげていくためには、

・予算(理想)を作ってみて
・実績(現状)と比較して
・何が足りないのかを意識する

という一連の流れが大切だと思いますので。

売上・利益だけでなくお金(キャッシュ)のことも考えておくこと

さらに、予算を作る場合には、売上・利益だけではなく、お金(キャッシュ)の流れについても、ある程度、計画を作っておくとよいと考えています。

会社を経営していくうえでは、利益もさることながら、お金(キャッシュ)が大切であることは過去、いろいろと書いてきました。

経営者が頼れるのは利益?それともお金(キャッシュ)?
利益が出ている会社は良い会社でしょうか? 一般的には良い会社でしょう。 ただ、利益が出ていればOKかというと、そうとも限りません。 ...
最後に頼れるのはお金。だからこそ毎月のお金の増減を流れで追ってみる。
会社にとって最後に頼れるものはお金です。 その頼れる「お金」の流れを意識しながら追っておくことが大切です。 最後に頼れるのはお金 以前...

売上、利益がいくら増えたとしても、お金が足りなくなってしまったら会社が倒産してしまう可能性もあります。

その意味でも、せっかく予算を作るのであれば、売上・利益と同じかそれ以上に大切である「お金(キャッシュ)」についても、しっかりと予算を作っておくとよいのではないでしょうか。

たとえば、事業が好調で売上・利益が倍増する見込みの場合、

売上・利益とも増えて、いいことばかり

かと言えば、そうではない可能性があります。

売上の回収/仕入や経費の支払い
の条件次第では、売上・利益が増えれば増えるほど、必要な運転資金が今までよりも多額になる可能性もあるからです。

場合によっては、運転資金を借り入れる必要が出てくるかもしれません。

また、いくら利益が出ていても、借入金の返済や必要な設備投資によっては、お金(キャッシュ)が足りなくなってしまう可能性もあります。

「売上・利益が増えるから問題ない!」と油断していると、ふと気づいたときに
・ちょっとお金(キャッシュ)が心もとないかも。
・借り入れを増やしたいかも。
と感じることになり、慌てて対応が必要になってしまうかもしれないということです。

そのようなことを避けるためにも、お金(キャッシュ)についてもしっかりと把握しておくことが必要だと感じています。

どれくらい細かく作るかは経営者次第

お金(キャッシュ)の計画を作る場合には、次のような内容を考慮する必要があります。

・利益
・利益に対して課される税金
・減価償却費(細かくは割愛しますが、当期に利益は減ってもキャッシュが減らないもの)
・設備投資を計画している金額
・借入金の返済

たとえば、1年間の予算が次のようなものだった場合、

・利益 +5,000万円
・税金  ▲1,500万円
・減価償却費 +500万円
・設備投資 ▲500万円
・借入金の返済 ▲1,000万円
・合計:+2,500万円

となり、1年間で2,500万円のお金(キャッシュ)が増えるということになります。

極端な例ですが、もしも借入金返済の負担が重くて▲4,000万円だとすると、1年間で見るとお金(キャッシュ)は500万円減ってしまいます。

そうなるとそもそも、利益5,000万円という予算では足りないということになりますが、もしも売上・利益だけしか予算を作っていなければ、そのことが見えてこない可能性もあるわけです。

感覚的にそんなことを分かるでしょ!ということだとしても、予算としてしっかりと見える化しているかどうかで、結構大きな差になるのではないかと思います。

実際にどこまで細かく作るかは経営者次第ではありますが、まずはざっくりとでも、お金(キャッシュ)についても予算を作ってみると雰囲気が分かるのではないでしょうか。


【編集後記】

昨日、スポーツショップの野球用品売り場に行ったところ、小学校2〜3年生くらいの男の子とお母さんが買い物をしていました。
野球を始めたばかりのようで、お母さんが「グローブのオイルってなんですか?」なんてことを店員さんに聞きながら買い物をしている様子が微笑ましく、うれしいような、うらやましいような、温かい気持ちになりました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

ゼビオスポーツ東京御茶ノ水本店


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