決算直前に「経費を使っておこう!」と思ったときに注意しておくべきことと頭の片隅においておきたいこと。

決算直前に節税のために経費を使っておこう!と思ったときに、最低限、注意しておいたほうがよいこと、頭の片隅入れておいたほうがよいことがあります。

節税のために経費を使っておこう!という気持ちは分かります!?

決算が近づいてきて、思ったよりも利益が出そうだぞ!となったとき、経営者であれば、
・できれば税金を減らしたい!
・期末に向けて経費をたくさん使って利益を減らそう!
と考えるでしょう。

おそらく
「得をしたい」
という意識よりも
「損をしたくない」
という気持ちで、節税策を検討するケースが多いのではないかと思います。

合法的に税金を減らすことができて、自分(自社)の損にもならないのであれば、「節税のために経費を使っておこう!」と考える気持ちは分かります。

そのために手っ取り早いのが、良いか悪いかは別として、「経費を使って税金を減らす」ということです。

くどいようですが、良いか悪いかは別として、です、あくまでも。

で、このように「経費を使う」場合に
「経費を使うこと」=「お金を使うこと」
と考えて、
お金を使えば経費が増えて税金が減らせる!
と思ってしまうと、思ったほどの効果が得られないかもしれません。

注意しておくべきこと

期末に向けて「お金を使っておこう」と考えたときに、「最低限」意識しておくべきことがあります。

金額のこと

経費を使おうと考えたときに、
「以前から買おうと考えていた備品や固定資産」
をこのタイミングで買っておこうと考えることがあるかもしれません。

そんなときは、10万円、20万円、30万円という金額を頭に入れておく必要があります。

10万円未満の場合、どのような資産であれ、固定資産には形状せず、経費として処理することが可能です。

また一定の要件を満たす中小企業などについては、30万円未満の固定資産でも、年間300万円を限度として、経費として処理することが可能です。

逆に、30万円以上の固定資産を購入した場合や、一定の中小企業以外であれば20万円以上の固定資産を購入した場合、期末にかけてお金が出ていったとしても、全額を経費にすることはできません。
この場合、減価償却費として数年間かけて経費にしていくことになります。

これだとせっかくお金を払ったのに、当初考えていたような節税効果は得られないことになりますので、「金額」のことはしっかりと意識しておくべきでしょう。

いつの経費になるのか?という問題

また、金額だけでなく、いつの経費になるのか?という問題もあります。

上述の減価償却費はまさにその問題です。

買ったとき、お金を払ったときに全額を経費にすることはできず、数年間にわたって経費にしていくことになります。

あるいは、当期の経費を増やすため、
来期の経費を先に支払うことで当期の経費にしてしまおう!
というのも基本的にNGです。
お金を払ったとしても経費にはなりませんので。。。

別の例としては、よく言われるところですが、翌期分のパンフレット等を作成して当期分の経費としてしまう、というものがあります。

カタログが期末までに手元に届きさえすれば、当期の経費にできるのでは?
という感覚があるかもしれませんが、通常の使用量を越えての購入となると、基本的に未使用部分は経費にすることができません。

せっかく節税のため!と思っていろいろと考えたのに、「ダメなのかい!」ってことになってしまいますね。

このように、「金額」や「いつの経費になるのか」というのは、しっかりとおさえておくべきポイントということになりますね。

「あるべき姿」も頭の片隅に・・・

ちなみに以前から何度か書いていますが、
・節税のため=>経費を増やす=利益を減らす=>税金を減らす
という流れを意識しながら節税策を検討することは、ある程度は仕方ないのかなと思っています。

ただし、無意味な節税、会社にとってメリットが少ない節税は避けたほうが良いです。

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決算(期末)まで残り半年、3ヶ月、1ヶ月などいろいろなシチュエーションがありますが、「期末までに経費を使っておこう!」と考える場合、

・想定した効果が本当に得られるのか?
を考えるとともに、「あるべき姿」「あるべき節税策」を頭の片隅に入れながら

・自社にとって本当にプラスなのか?
ということも考えてみる必要があるのではないかと考えています。


【編集後記】

昨日は自分自身の月次決算をやったあと、1ヶ月間の振り返り、今月の目標設定などにかなりの時間を割きました。
で、新たな目標を設定してみることにしました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

つぶごろ 白ぶどう
まいばすけっとのポテトサラダ
新しい音源


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